好気的変敗ならびにプロピオン酸添加とうもろこしサイレージの産乳価値

坂東 健・出岡謙太郎

新得畜試研究報告 10.25-31(1979)

 黄熟期とうもろこしを供試して無処理好気的変敗プロピオン酸調製時 1.0%添加およびプロピオン酸給与時 0.5%添加の4種のサイレージを準備し,それらの産乳価値について比較検討した。
 無処理サイレージの外観や化学的品質は良好であった。これに比較し,発熱,発カビが認められた好気的変敗サイレージでは外観が劣り,pH値が高く,乳酸含量は低かった。また,プロピオン酸調製時添加サイレージでは色沢が良好であったが酸臭は強く,pH値はやや高く,乳酸含量が低く,プロピオン酸含量は著しく高かった。
 サイレージの一般成分やTDN含量では処理間に差がなかった。サイレージの乾物摂取量は好気的変敗において最も少なかったが,処理間の差は小さく有意でなかった。
 粗飼料および全飼料の乾物摂取量,TDN摂取量,4%FCM量,乳組成,体重においても処理間に有意差は認められなかった。DCP摂取量は好気的変敗において他の処理より有意に多かったが,処理間の差は極めて僅かであった。
 以上から,サイレージの品質は低下するが一般成分やTDN含量に影響しない程度の好気的変敗およびプロピオン酸の0.5~1.0%添加は黄熟期とうもろこしサイレージの産乳価値にほとんど影響しないと考えられた。