ホルスタイン雌牛の体重と産乳能力との関連性に関する多変量解析乳用後継雌牛選抜に関する統計学的解析III

西村和行・塚本 達

新得畜試研究報告 12.7-18(1982)

 北海道立新得畜産試験場で29頭の種雄牛から生産されたホルスタイン雌牛 229頭を用い主成分分析法により生時から36か月令時までの体格の総合評価の解析を行った。段階式重回帰分折法により,各月令の体重及び泌乳能力推定の可能性を検討した。一元配置分類法による分散・共分散分析法で遺伝的パラメータの推定を行った。
 主成分分析法により算出した3主成分による寄与率は64.66%と概して大きくはなかった。各々の寄与率は月令とともに低下傾向にあり,特に妊娠前後で様々な要因が加えられることが分った。
 遺伝率は生時体重で0.47,母子分離時体重で0.50,その間の増体量は0.08,3か月令から36か月令までの体重は0.23~0.99と推定された。分娩時の月令,かく巾,体長,胸囲及び体重では-0.00~0.84と推定された。
 淘汰月令では,0.37であった。段階式重回帰式に取り入れられる説明変数は,24か月令以降の体重であった。寄与率は,乳量で22.14~47.18%,乳成分で45.13~49.56%,泌乳持続性で40.81%,分娩月令で52.43%,淘汰月令で20.41%であった。生後2年未満の体重のみによる泌乳能力の推定は極めて難しいことが示唆され,更に他の体格との遺伝的関連性の考慮が必要である。