イネ科草種を異にするシロクローバ混播草地の収量,植生及び放牧草の in vitro 乾物消化率

川崎 勉・田辺安一

新得畜試研究報告 12.27-33(1982)

 イネ科5草種のそれぞれにシロクローバを混播した放牧地に肉用牛を放牧して4年間調査した。マメ科率はチモシー草地およびメドーフェスク草地が4か年を通して20%前後を維持した。トールフェスク草地も3か年までは20%前後で推移したが4年目には4%まで低下した。
 オーチャ一ドグラス草地は利用初年目から5%以下となった。ケンタッキーブルーグラス草地は年次とともに8%まで低下した。
 放牧草の細胞壁物質含量はトールフェスク及びメドーフェスクが少なく,これらのin vitro 乾物消化率は高かった。また,チモシーの乾物消化率も前記2草種と同程度に高かった。
 年間乾物収量(DM,kg/10a)はトールフェスク草地が1.2tで最も多く,チモシー草種0.9tとの間に有意差(P<0.05)が認められた。他の3草種草地は約1.0tで草種問で差がなかった。1日当り乾物生産量(DM,kg/10a/日)はトールフェスク草地がとの季節とも他の4草種に比較して優れており,オーチャードグラス草地は春には同じく高かったが秋には低かった。他の8草種は季節間の差が小さかったが低水準で経過した。
 トールフェスクは収量,植生,季節生産及び in vitro 乾物消化率の点からみて放牧用草種として有望と考えられた。