十勝山麓地帯のオーチャードグラス主体草地における株の分散構造

竹田芳彦・大原益博・小松輝行

新得畜試研究報告 12.35-43(1982)

 十勝山麓地帯におけるオーチャードグラス主体草地の株化の様相及び株化に伴う植生構造の変化を主として分散構造の面から検討した。供試草地は1974年~1980年に造成し,以後ほぼ一定の管理を施してきた造成後2~8年目のオーチャードグラス主体草地である。
 オーチャードグラスの株数は4年目まで減少し,それ以降約30株/m2で安定した。基底被度は株数ほどの年次間差はなく,4年目以降20~30%であった。株密度の減少に伴い,株当り分げつ数及び株直径は5年目まで増加したが,それ以降は横ばいか,あるいは減少し,株の崩壊が顕著となった。
 また,分げつの分散構造は集中分布を示したが,生存株はランダム分布ないし規則分布で,株は独立してそれぞれの空間を占有していることか明らかとなった。このような株の分散構造が株密度低下後の株肥大,冬枯れ後の生存株による生産性回復,冬枯れを受けない場合の少数株による比較的高い生産性を可能にしている一因と考えられた。