育成期の濃厚飼料給与量の差と放牧の有無が乳用種去勢牛の産肉に及ぼす影響

裏 悦次・森 関夫・新名正勝・清水良彦

新得畜試研究報告 13.31-38(1983)

 前期・高栄養,後期・放牧(以下HG群と略す…8頭),前,後期・高栄養(HH群…8頭),前期・低栄養,後期・放牧(LG群…7頭),前,後期・低栄養(LL群…7頭)の4方式で,乳用雄子牛を育成し,その後,目標体重(570kgと620kg)まで肥育した場合の産肉性を比較した。

  1. 日増体0.54kgで舎飼したLG群の放牧日増体は,0.89kgと良好であったが,日増体0.85kgで舎飼したHG群も,0.74kgの順調な日増体を示し,育成期の通算ではLG群が0.67kg,HG群が0.81kgの日増体となった。
  2. HH群とLL群の育成期通算日増体は,それぞれ0.82kgと0.54kgで,育成期に1kg日増体に要したTDN量は,HH群,LL群それぞれ5.5kg,6.3kgとHH群が少なかった。
  3. 肥育期の日増体はHG群,HH群,LG群,LL群それぞれ1.18kg,1.04kg,1.15kg,1.16kgとHH群がやや低かった。
  4. 枝肉歩留りはHH群が他の3群より,やや高かった。HG群は他の3群より枝肉からの正肉歩留りが高く,脂肪の割合が少なかった。体重に対する内容物を含んだ消化器の割合はHH群が他の3群より低く,体重に対する肝蔵と脾臓の割合は,放牧を行ったHG群とLG群が他の群より高かった。
  5. 枝肉の等級はLL群,LG群,HH群,HG群の順で,目標体重に達するのが遅い群ほど高かった。
  6. 導入から出荷までの全期間を通した1kg増体に要したTDN量においてHH群とLL群は,6.6~6.7kgで,ほぼ同量だった。