北海道産水稲の熟期別ホールクロップサイレージの飼料価値

原 悟志・江川勇雄・伊東季春・出岡謙太郎・坂東健・岡本全弘

新得畜試研究報告 15.19-27(1986)

 北海道産水稲の飼料的利用法を検討するため熟期別に収穫,調製したホールクロップサイレージについて,収量,飼料成分,栄養価および牛による採食性等を調査した。
 水稲の乾物収量は登熟による穂部の充実とともに増加し,成熟期の乾物収量および穂部の割合はそれぞれ 1,112kgおよび61.2%となった。水稲の飼料成分では,登熟にともない,粗繊維および粗灰分含量の減少,NFE含量の増加がみられた。
 サイレージの発酵品質は概して劣質であったが,登熟とともに向上する傾向がみられた。TDN 含量は糊熟期まで向上したが,それ以降の向上はみられなかった。糊熟期のTDNおよびDCP含量はそれぞれ 61.2%および5.8%であった。黒毛和種による採食性は,開花期を除き良好であった。牛における不消化子実の排泄率は,成熟期の12.9%に対し糊熟期は8.3%と低かった。TDN収量は登熟とともに大きく増加したが,DCP含量は微増であった。
 栄養価,TDN収量および不消化子実の排泄率から,ホールクロップサイレージとして望ましい刈取り時期は糊熟後期と考えられた。この場合の 10a当たりの乾物およびTDN収量はそれぞれ約1.0tおよび0.6tと推定された。