肉専用種子牛における初乳抗体の取得と発育との関連性*

藤川 朗・恒光 裕

新得畜試研究報告 16.9-17(1988)

 本報告の一部は,第43回日本畜産学会北海道支部大会において発表した。
 肉専用種の大規模牛群において,哺乳開始時間,品種および母牛年齢が子牛の初乳抗体の取得に及ぼす影響と初乳抗体が下痢ならびに発育に及ぼす影響を検討した。1987年2月~5月に出生した肉専用種子牛158頭(アバディーンアンガス61頭,ヘレフォード79頭,黒毛和種18頭)を調査対象牛とし,出生2日後の血清中総蛋白質濃度(TP)ならびにγ-グロブリン濃度(γ-G)を測定した。
 TPとγ-Gとの間に有意な高い相関が認められ(r=0.89),
γ-G=0.8TP-3.2(r2=0.79) という推定式が得られた。アバティーンアンガス子牛のγ-Gは他の品種より有意に高く,母牛年齢が2歳ならびに8歳以上の子牛のγ-Gは他の年齢のものより有意に低かった。黒毛和種の下痢発生率ならびにへい死率は他の品種より有意に高く,下痢の治療日数も良かった。下痢の治療日数が4日以上の子牛の日増体量は1日以下のものよりも有意に低かった。日増体量に対する品種,性およびγ-Gに対する回帰の効果は有意となり,正の回帰係数が推定された。