水素化物生成一原子吸光法による牛血清セレンの定量

森 清一・工藤卓二・米道裕彌・尾上貞雄・恒光 裕・平井綱雄

新得畜試研究報告 16.39-42(1988)

 近年,我国においても子牛白筋症の発生が報告され,セレン(Se)が動物における必須ミネラルとして栄養学的,生理学的な面から注目され,血清中のSe濃度を求める要望が強まっている。
 血清Seの定量には主として,2,3-ジアミノナフタレンを用いた蛍光法が用いられているが,煩雑な操作を要するため,簡便な定量法として原子吸光法が検討されている。
 原子吸光法には,炭素炉による方法と水素化物生成による方法が報告されている。炭素炉による方法は,簡便で感度も高いが,共存物質による干渉が大きく,また再現性が十分でないという問題点がある。
 水素化物生成による方法は,砒素の高感度定量法として開発された方法であるが,最近これを利用したSeの定量が検討され,水素化物生成方式や原子化方式も急速に進展,改良がなされてきている。
 そこで著者らは,新たに開発された水素化ホウ素ナトリウム利用の水素化物生成と加熱石英二重セル原子化法を組合せた方法による牛血清Seの定量法を検討し,良好な結果が得られたので報告する。