単クローン抗体を用いた牛ロタウイルス検出用固相酵素免疫測定法

恒光 裕・平井綱雄・米道裕彌・工藤卓二・森 清一・尾上貞雄

新得畜試研究報告 17.33-40(1990)

 牛ロタウイルス NCDV 株に対する単クローン抗体産生細胞をマウスの脾細胞とミエローマ細胞を融合して作出した。次に,ロタウイルスに対する共通抗原を認識すると考えられる単クローン抗体と抗牛ロタウイルス NCDV 株モルモット血清を用いて,固相酵素免疫測定法(以下,エライサ法)により牛ロタウイルスの検出を行った。
エライサ法により牛ロタウイルス14株はすべて陽性を示した他,人ロタウイルス,豚ロタウイルス,猿ロタウイルス,馬ロタウイルスおよび羊ロタウイルスの各々1株も陽性となったが,牛コロナウイルスは陰性を示した。牛ロタウイルス NCDV 株の一重粒子に対するエライサ法の検出限界は24ng/ml以下を示した。
次に,野外下痢便ならびに牛ロタウイルスで攻撃した初乳未摂取子牛の糞便を用いて,エライサ法と MA104細胞を用いた蛍光抗体法により牛ロタウイルスの検出を行った。両法の一致率は野外例で92%,攻撃試験例で91%を示した。
また,攻撃試験例においては,エライサ法により攻撃1~1.5日後から牛ロタウイルスが検出され,ウイルスの排出は,本法により子牛の死亡時まで,あるいは4~6日間認められた。これらの成績から,単クローン抗体を用いた工ライサ法は,子牛の牛ロタウイルス病の診断に有効と考えられた。