ホルスタイン去勢牛の育成期におけるトウモロコシサイレージ給与量が産肉性に及ぼす影響

西邑隆徳・佐藤幸信・斉藤利朗・裏 悦次

新得畜試研究報告 17.41-51(1990)

 ホルスタイン去勢牛27頭を供試し,育成期におけるトウモロコシサイレージ給与量が肥育期における増体ならびに産肉性に及ぼす影響について検討した。4か月齢から9か月齢までを育成期とし,日増体量1.4kgを目標として濃厚飼料と乾草を給与するI区,日増体量1.2kgを目標として体重比2%のトウモロコシサイレージ,乾草および濃厚飼料を給与するII区,日増体量1.0kgを目標として体重比5%のトウモロコシサイレージ,乾草および濃厚飼料を給与するIII区を設けた。9か月齢から19か月齢までの肥育期においては同一混合飼料(TDN比で濃厚飼料50%,乾草5%,トウモロコシサイレージ45%)を給与し肥育した。屠殺解体は9,14および19か月齢に実施し,肉量,肉質の変化を調べた。
 育成終了時の体重はI区328kg,II区305kg,III区286kgで,I区に対してII区は94%,III区は89%であった。肥育全期において,III区は I区に比べ高い増体を示し,肥育終了時体重は687kgでI区の98%であった。しかしII区の増体は I区よりも低く,肥育終了時体重は657kgでI区の94%にとどまった。
 枝肉形質に対しては育成期のトウモロコシサイレージ給与量の影響はみられなかったが,胸最長筋の理化学的性質については,水分,粗脂肪含量,脂肪の融点および肉色a*値に対して,その効果が有意となった。一方,屠殺月齢の効果はほとんどの項目に対して有意となり,屠殺月齢が肉量および肉質に大きく影響することが示された。
 肥育期の脂肪の蓄積動向を調べた結呆,内臓,皮下および筋間脂肪は育成終了時に差がみられたが,肥育開始5か月後の14か月齢ではほとんど差はみられなくなった。一方,筋肉内粗脂肪含量は19か月齢においても区間差がみられ,III区はI区およびII区に比Iべて低い値であった。