ナフトキノン誘導体(ブパルバコン)の Theileriasergenti に対する抗原虫効果

平井綱雄・工藤卓二・森 清一・尾上貞雄・恒光 裕

新得畜試研究報告 17.53-58(1990)

 小型ピロプラズマ(Theileria sergenti)が浸潤している牧野に初めて放牧されたヘレフォードおよびアバディーンアンガスの成牛および子牛42頭を14頭(成牛5頭,子牛9頭)ずつ3群に分け,入牧5週後に各群の牛にパマキン(成牛400mg,子牛200mg),プペルバコン2.5mg/kg,プパルバコン5.0mg/kgを筋肉内に投与し,T.sergenti の赤血球内寄生率(原虫寄生率)およびヘマトクリット値に及ぼす効果を比較した。投与時の各群の平均原虫寄生率は子牛が2.3~3.0%,成牛が3.5~4.3%であった。プパルバコン5.0mg/kg投与群では子牛が投与1週後から3週後まで,成牛が投与1週後から4週後まで平均原虫寄生率が0.5%以下となり,他の2群と比較してT.sergenti に対する抗原虫効果が長期間持続した。
 しかし,プパルバコン5.0mg/kgの1回投与では5月下旬から11月中旬までの全放牧期間にわたってT.sergenti 寄生に伴う貧血を防ぐことはできなかった。また,プパルバコン投与による臨床的な副作用は特に認められなかった。