絶食・絶水期間中における群混合が肥育牛の血液性状に及ぼす影響

西邑隆徳・森 清一・田村千秋・裏 悦次

新得畜試研究報告 18.13-19(1991)

 屠殺前の牛群混合時の肥育牛の生体内変化を把握するために,絶食・絶水条件下における,見知らぬ牛との混合が肥育牛の血液性状に及ぼず影響を調査した。ヘレフォードおよびアバディーンアンガス去勢牛8頭を供試しこれらを2群に分け,試験牛と接触したことがない雄牛を群内に混ぜる混合区と対照区とを設けた。両区とも試験開始時より24時間絶食・絶水を行い,この間の体重変化ならびに血液の生理的変化を経時的に調査した。
 混合区では,試験牛と新しく群内に入れた雄牛との間で,激しい闘争行動がみられた。絶食・絶水24時間の体重減少割合は,混合区で4.4%,対照区で4.2%であった。
 白血球数は,対照区では絶食・絶水期間中,ほぼ一定の値で推移したのに対して,混合区は上昇する傾向がみられ,絶食・絶水12時間後には12,600/mm3となり,対照区に比べて34%高く,両区間に有意な差(P<0.05)が認められた。
好酸球数は絶食・絶水期間中,両区とも低下する傾向がみられた。絶食・絶水開始24時間後の好酸球数および好酸球比は,対照区でそれぞれ,407/mm3,1.8%であり,絶食・絶水期間中の好酸球数の減少割合は,対照区よりも混合区の方が大きい傾向が示された。
CPK は,対照区では絶食・絶水期間中,ほとんど変化がみられなかったのに対して,混合区では急激な上昇がみられ,24時間後には開始直前の値の約3倍となった。