飼料のTDN含量がアバディーンアンガス去勢牛の増体および枝肉構成に及ぼす影響

佐藤幸信・西邑隆徳・斉藤利朗・田村千秋・裏 悦次

新得畜試研究報告 18.65-71(1991)

 供試牛はアバディーンアンガス去勢牛10頭で,全飼料の乾物中に含まれるTDN含量の差異により低TDN区および高TDN区の2区を設けた。低TDN区では,トウモロコシサイレージ,濃厚飼料および乾草を乾物比で6:3:1の割合で混合し,乾物中のTDN含量を68%とした。
一方,高TDN区では,乾物比で3:6:1の割合で混合し,乾物中TDN含量を73%とした。 飼料は両区とも試験期間中自由摂取とした。試験期間は両区とも平均体重が345kgから580kgに達するまでとした。
 目標の終了時体重に達するまでの日数は,低TDN区が244日間,高TDN区が216日間で,低TDN区は高TDN区より約1か月多く要した。1日当たりの増体量は低TDN区が0.97kgとなり,高TDN区の1.18kgに比べ有意に低かった。総TDN摂取量および1日当たりのTDN摂取量は,低TDN区が高TDN区より有意に少なかった。1kg増体に要したTDN量は,両区間で差はみられなかった。
低TDN区の枝肉歩留は高TDN区より有意に低かったが,正肉量では両区間に差はなかった。余剰脂肪の量は低TDN区が有意に少なく,皮下脂肪厚もまた低TDN区が有意に薄かった。第9~11ロース部の赤肉割合および骨の割合はいずれも低TDN区が高TDN区に比べ有意に高かった。しかし脂肪の割合は低TDN区が高TDN区より有意に低かった。
 これらの結果より,飼料のTDN含量を73%から68%に低下させることにより余剰脂肪が少なく赤肉割合の多い牛肉が生産できることが示唆された。