トウモロコシサイレージ主体混合飼料に用いる牧草サイレージの予乾の有無が乳牛の泌乳効果に及ぼす影響

原 悟志・大坂郁夫・黒澤弘道・小倉紀美

新得畜試研究報告 19.1-9(1992)

 同一原料草から調製した予乾牧草サイレージまたは高水分牧草サイレージのそれぞれを,トウモロコシサイレージおよび濃厚飼料と組み合わせて2処理の混合飼料(以下,予乾区および高水分区と略す)を調製し,トウモロコシサイレージ主体混合飼料に用いる牧草サイレージの予乾の有無が栄養価,窒素出納,飼料摂取量,乳量,乳成分および第一胃液性状に及ぼす影響について検討した。
混合飼料の構成割合(乾物)は,予乾または高水分牧草サイレージ30%,トウモロコシサイレージ40%,配合飼料25%および大豆粕5%とした。飼養試験はホルスタイン泌乳牛8頭を用い,1期21日間の反転試験法により実施した。また,これに引き続き泌乳牛4頭づつを用いて両混合飼料の消化率および窒素出納を調査した。
 予乾および高水分牧草サイレージの乾物率はそれぞれ25.3%および19.9%であった。混合飼料の乾物中のDCPおよびTDN含量は,予乾区では 9.0%および71.7%,高水分区ではそれぞれ9.0%および68.8%であった。
 乳牛の乾物摂取置は.予乾区20.7kgに対し高水分19.5kgと予乾区が有意に多かった。DCPおよびTDN摂取量も予乾区が有意に多かった。窒素出納および第一胃液の性状には両区に差は認められなかった。乳組成は両区に差は認められなかったが,乳量は予乾区26.3kgに対し高水分区26.8kgとその差はわずかであるが予乾区が有意に少なかった。
 しかし,実際の乳牛飼養においては,乳量の差のわずかであり,予乾することにより高泌乳牛飼養に重要な乾物摂取量が高まる。また,サイレージの調製利用の面では,予乾することによりサイレージの酸組成の向上が図られるとともに発酵中の乾物ロスが減少しサイレージ凍結の問題が少ないことから牧草サイレージ調製時の予乾は必要と考えられる。