酸不溶性灰分と酸化クロム併用によるめん羊の牧草採食量の推定

斉藤利朗・佐藤幸信・田村千秋

新得畜試研究報告 19.29-31(1992)

 放牧家畜の採食量を推定する手法としては,2種類の指示物質を併用したクロモーゲン一酸化クロム法が広く用いられている。しかしながら,内部指示物質であるクロモーゲンには,カロチノイド,キサントフィルなど消化管内で分解もしくは吸収される不安定物質が含まれているため,草の生育状態,日照,あるいは調製条件によって,回収率に影讐を及ぼし推定消化率の精度が大きく左右されることが指摘されている。
 一方,最近では,内部指示物質として,クロモーゲンより分折操作が比較的容易な酸不溶性灰分(以下 AIAと略す)について反すう家畜,豚,鶏などで多くの試験が行われ,指示物質としての有効性が報告されている。
 そこで,放牧家畜の採食量を推定するにあたって,内部指示物質としてクロモーゲンの代わりに AIAが利用できるかどうかを検討するため,めん羊の消化試験を実施し,AIA一酸化クロム併用によって測定した乾物消化率および採食量を,全糞採取法で求められたそれぞれの値と比較した。