トウモロコシサイレージ主体混合飼料の泌乳牛とめん羊による消化率の比較

原 悟志・大坂郁夫・黒澤弘道・小倉紀美

新得畜試研究報告 19.33-37(1992)

 泌乳牛用飼料の可消化養分含量は,泌乳牛とめん羊の消化能力を同じと仮定して,めん羊による消化試験の値を用いて算出することが多い。しかし,乳牛はめん羊に比べて穀類の形態によりその消化能力は低下することから,濃厚飼料およびトウモロコシサイレージを多く含む泌乳牛飼料では乳牛とめん羊で消化率は異なることが知られている。
また,飼料摂取量も消化率に影讐を及ぼすことから,乾物摂取量の多い泌乳牛と乾物摂取量の少ないめん羊とでは飼料の消化性は異なると考えられる。これらのことから,泌乳牛用飼料の消化率としてめん羊の値を代用する場合が多い実状にあるが,牛とめん羊の消化率を区別したほうがより適格であると考えられる。
 また,混合飼料の栄養価は一般に混合原料の栄養価とその混合比から算出されているが,飼料の組み合わせによりその成分消化率が変動することから,実測値と計測値とは異なることが指摘されている。
 そこで本試験では,泌乳牛用混合飼料の評価方法の検討を目的として,2種類の混合飼料を用い泌乳牛とめん羊による消化率,DCPおよびTDN含量を比較するとともに,混合飼料の栄養価の実測値に対する各飼料の栄養価およびその混合比から求めた計算値の適合性を検討した。