双胎妊娠牛の妊娠末期の代謝エネルギ-要求量

佐藤 幸信・斎藤 利朗・杉本 昌仁・本郷 泰久・川崎  勉

新得畜試研究報告 21.9-14

 双胎妊娠牛の妊娠末期に要する代謝エネルギー量について検討した。
 受精卵を移植したアバディーンアンガスおよびヘレフォード経産牛延べ51頭を用いた。双胎妊娠牛は26頭,単胎妊娠牛は25頭である。妊娠末期90日間の飼料給与量は,日本飼養標準-肉用牛-(1987年版)に基づいた。すなわち,単胎妊娠牛では母牛の維持の可消化養分総量(TDN)に胎児1頭の発育に要する量としてTDN0.9kGを加給した。双胎妊娠牛では,単胎妊娠の母牛と同様に維持TDN量に加えて,胎児1頭の発育に要するTDN量の1倍量,2倍量,2.5倍量および3倍量を加えて給与する区の4処理区とし,それぞれ8頭,6頭,4頭および8頭を割り当てた。
 双胎妊娠牛の胎児の発育に要した代謝エネルギー量(MEp)は平均で4.9Mcal/日であり,単胎妊娠牛の3.2Mcal/日の約1.5倍となった。双胎妊娠牛の維持に要した代謝エネルギー量(MEm)は平均142.0kcal/kg0.75/日であり,単胎妊娠牛の117.8kcal/kg0.75/日の約1.2倍となった。双胎妊娠牛では単胎妊娠牛に比べMEpばかりでなくMEmも増加していることが推察された。この増加量を450kg~650kgの体重に換算すると,代謝エネルギー(ME)で2.4Mcal~3.1Mcal単胎妊娠牛より多くなった。したがって,双胎妊娠牛の妊娠末期に増給する必要のある1日当たりのME量は,妊娠末期の胎児の発育に必要なME量4.9Mcalおよび推持の増加ME量2.4Mcal~3.1Mcalを合計したME量7.3Mcal~8.0Mcalと計算された。