乾草自由採食下における濃厚飼料の給与水準が3か月齢で 離乳した黒毛和種去勢育成牛の発育に及ぼす影響

杉本昌仁・佐藤幸信・寒河江洋一郎

新得畜試研究報告 23.1~9

 濃厚飼料の給与水準が、黒毛和種去勢育成牛の発育および飼料摂取量に及ぼす影響について検討した。供試牛として、3か月齢で離乳した15頭の去勢育成牛を用いた。試験処理として、濃厚飼料の給与水準で3つの区を設けた。すなわち、日本飼養標準から算出したDGO.9kgに要するTDNの95%に相当する量の濃厚飼料を給与する区(HC)、同じく70%に相当する量の濃厚飼料を給与する区(MC)、45%に相当する量を給与する区(LC)とした。各区にそれぞれ5頭ずつ配置し群飼した。乾草は自由摂取とした。乾草と濃厚飼料は別々に給与した。試験期間は9か月齢までの6ヵ月間とした。

 濃厚飼料割合を高めると乾草の摂取量は低下する傾向にあった。乾物摂取量(DMI)はLCが低くなる傾向にあった。濃厚飼料摂取量は、HCが65.3gDM/BW0.75、MCが50.7gDM/BW0.75、LCが32.5gDM/BW0.75であった。平均日増体量(ADG)は、HCがO.99kg、MCが0.99kg、LCが0,87kgであった。ADGはLCで低くなる傾向にあった。試験終了時(9か月齢)における供試牛の皮下脂肪厚は、HCが1.Ocm、MCがO.6cm、LCがO.5cmとなり、HCで有意に厚くなった(P < 0.01)。反芻胃内容液のpHに区間差は認められなかった。濃厚飼料の給与水準が高まるにつれて反芻胃内溶液の酢酸割合が低下し(P < 0.01)、プロピオン酸の割合は増加した(P < 0.01)。LCでは酪酸のモル比が低くなる傾向にあった。血漿グルコースはLCで低く推移した。インスリン含量はHCで高くなる傾向にあった。

 以上の結果から、LCからMCへ濃厚飼料の給与水準を高めると発育は向上し、DMIも増加するものと考えられたが、HCまで高めても発育の向上は認められず、むしろ脂肪蓄積を促すことが示された。したがって、育成期に給与する濃厚飼料の給与水準は本試験のMCレベル、すなわち約50gDM/BW0.75/dayが適当であると考えられた。