過りン酸石灰添加による牛ふん尿の堆肥化過程における アンモニア揮散抑制

湊啓子・田村忠・前田善夫

新得畜試研究報告 23.17~24

 牛ふん尿の堆肥化過程で発生するアンモニアの揮散を抑制するために、過リン酸石灰(過石)添加の効果を検討する3つの試験を実施した。試験1では牛ふん尿オガクズ混合物に過石を添加し、その300gを培養したところ、2.5%以上の添加でpHは7以下に低下し、アンモニアの揮散は顕著に抑制された。試験2では180kgの牛ふん尿敷料(オガクズ)混合物(水分64%)に過石を2%および5%添加して堆積した。過石添加により堆肥化期間中pHはおおむね7以下に押さえられ、発酵は抑制された。試験3では牛ふん尿敷料(オガクズ)混合物に過石を約2%添加して実用規模(約6t)で堆積し、発酵させた。過石添加により堆肥化期間中pHは7~8と無添加区よりも0.5~1.5ポイント低く推移し、アンモニア揮散量は顕著に抑制された。発酵温度は無添加区との間に大きな差は見られなかった。

 アンモニア揮散を抑制し、発酵を維持するためにはpHを7~8程度に保つことが必要であり、この場合の過石の添加量は2%程度であることが示唆された。