新品種候補(作成 平成7年1月)
課題の分類  総合農業 作物生産 夏畑作物 ばれいしょ 1-2-160
          北海道 畑作物 夏畑作物 ばれいしょ 1-2-160
ばれいしょ新品種候補系統
「北海74号」の概要
北農試・畑研セ・ばれいしょ育研

1.特性一覧表
系統名 北海74号 交配組合せ Pentland Dell×R392-50
特  性 (長    所) (短  所)
1.中生、大粒、多収でジャガイモシストセンチュウ
  抵抗性である。
2.白肉で目が浅く、緑化・グリコアルカロイド
  生成量が少なく、調理・一次加工特性に優れる。
1.大粒いもが多く、中・小粒い
  もの採種がむずかしい。
2.でん粉価がやや低い。
採用予定県及ぴ
普及見込み面積
   北海道:3,000ha

 

主要特性
品種・系統名


自然
結果
塊 茎 特 性 シストセンチュウ
抵抗性
粒揃 皮色 肉色 内部異常 休眠
北海74号 やや開 やや長 H1
男しゃくいも 濃緑 赤紫 白黄 中空・褐心 やや長 h
農林1号 やや直 やや整 扁球 白黄 中空・褐心 やや短 h

 

品種・系統名 枯凋期
(月日)
茎長
(p)
茎数
(本)
S*以上 M*以上 L*以上 でん粉価
(%)
平均
1個重
(g)
収量
(Kg/10a)

(%)
収量
(Kg/10a)

(%)
収量
<(Kg/10a)/TD>

(%)
北海74号 9.23 50 2.6 4350 129 4231 155 3674 268 15.1 167
男しゃくいも 9.2 38 4 3384 100 2738 100 1371 100 15.4 85
農林1号 60 4.4 4360 129 4119 150 3032 221 16.3 128
注)S63〜H6の平均値,*:L;120g〜,M;60g〜,S;20g〜

 

品種・系統名 緑化 グリコ*
アルカロイド
(mg/100gf.w.)
剥皮特性** 水煮 蒸し
食味
チップス
適性
フライ
適性
用途
歩留り
(%)
トリミング数
(個/kg)
褐変 肉質 煮くずれ 黒変
北海74号 2.9 88.6 6,5 不適 食用
男しゃくいも やや
10.2 71.4 15.2 やや
やや
不適
食用
農林1号 78.9 16.8 やや適 不適 兼用
注)*:α-ソラニン、α-チャコニンの合計値。冬期温室で2週間曝光、クロメタ抽出、HPLC分析。(H4,5平均)
  **:歩留り(トリミング前)とトリミング数(剥皮後の未剥皮箇所数)はヤスリピラーにて4分処理(H5.9)

 

2.ばれいしょ「北海74号」の特記すべき特徴
  熟期は「農林1号」より約10日早い中生である。L規格以上(120g以上)いもの割合が高い。いもは白皮・白内で目が浅く、曝光による緑化・グリコアルカロイドの生成量が少ない。内部異常・剥皮褐変・調理後黒変も少なく、調理・一次加工適性が高い。

 

3.奨励品種に推せんしょうとする理由
 《1.外観が良く、調理・一次加工適性の優れた大いもである》
  ばれいしょの消費は外食・調理済食品・一次加工品等の業務需要が急増し、適品種の要求が強い。
 本系統はこの要求に応えられる適性を持つ。加えて緑化耐性があり、グリコアルカロイド生成量が少ないので
 ポストハーベストの管理が容易である。また白皮で外観に優れる大いもで市場向け出荷にも有利である。
 《2.中生・多収・ジャガイモシストセンチュウ抵抗性である》
  中生のため早期出荷には向かないが、ごく多収であり、秋から翌春の出荷に適する。ジャガイモシスト
 センチュウ抵抗性の食用品種として早生の「キタアカリ」、「とうや」と組み合わせて長期安定出荷が可能になる。

 上記の理由により「北海74号」を食用の「男しゃくいも」「農林1号」の一部に代わる奨励品種に推せんしたい。

 

4.普及見込み地帯  北海道−円

 

5.栽培上の注意
 (1)でん粉価の上昇がいもの肥大に比べやや遅れるので、完熟後収穫する。
 (2)ごく大いもができやすいので、多肥・疎植を避け、5000株/10a以上の密植とする。
 (3)Yウイルス病のえそ反応が無〜弱なので、採種管理に当たっては特に注意をする。