Q.30)
その他にも土壌分類方式が色々とあるようですが、一通り説明して下さい。また、それらの分 類間の簡単な対比表があれば教えて下さい。

A.30)
 第4節に参考資料として各種土壌分類の一覧や対比表を載せてありますので参照してください。

施肥改善調査の分類法
 年配の方にはおなじみのものです。全国方式の前身の一部でもあり、水田土壌を対象として長い間使われていたものですが、現在では過去の分類法となってしまいました。ただ、水田の土地改良事業においてはまだ一部で使われています。A.泥炭土壌からK.礫質土壌までの11群の基本土壌類型と51種の土壌類型からなっています。北海道では独自にL.火山性土を追加して利用していました。
A.泥炭土壌 B.泥炭質土壌 C.黒泥土壌 D.強グライ土壌 E.グライ土壌
F.灰色土壌 G.灰褐色土壌 H.黒色土壌 I.黄褐色土壌 J.礫層土壌
K.礫質土壌 (L.火山性土壌)

国土調査(土地分類基本調査)の分類法
 国土庁(旧経済企画庁を含む)の事業にもとづく分類方式で、林地や未耕地を含む、包括的な分類体系です。全国方式も北海道方式もこれを参考にしているためそれぞれ似通った土壌の名称がみられます。ただし、その分類体系は整備不十分な面があります。国土庁が今後本腰をあげて日本全域の土壌図(5万分の1)作りを進め、メッシュ土壌図として一般配布する体制が整えば、日本における代表的な包括的土壌分類方式としてオーソライズされ、各方面で使われていく可能性があります。

ペドロジー学会による、日本の統一的土壌分類体系
 日本の土壌調査・分類の専門家で組織している”ペドロジー学会”が発表した分類案で、全国方式や国土調査の方式とはやや異なった観点からの、林地、未耕地、農耕地を対象とする土壌分類方式です。

アメリカやFAOの分類方式
 世界的な”共通の言葉”としては、アメリカの土壌タクソノミー(Soil Taxonomy)や、FAO/Unescoの500万分の1土壌図のための分類法があります。特に前者は、世界の土壌学における事実上の標準的な分類法になっています。情報の国際化の流れの中では、日本の既存の土壌調査の成果を国際的な分類体系に対比させることは重要なことではありますが、調査法や分析法が異なるため、対比はなかなか困難なようです。なお、日本の火山灰土壌はアメリカや欧州にはほとんど見られないため、Soil Taxonomyにおける分類上の位置づけは明確ではありませんでしたが、近年、腐植含量が多くて厚い表土をもつものがAndisol(暗土、つまり黒い土)として区分されるようになりました。

Soil Taxonomy
アメリカにおいては1945年から新しい土壌分類を策定する作業が進められ、1960年に「包括的土壌分類体系第7次試案」として公表され、その後の補遺を経て、1974年に「Soil Taxonomy」として公刊されました。それまでの土壌分類とは大きく異なり、計測できる土壌の諸性質に基づいた科学的なもので、広く世界の土壌についての分類をめざしたものであり、以下の6つのカテゴリーから成っています。

  目(order)、亜目(suborder)、大群(great group)、
 亜群(sub group),ファミリー(family),土壌統(soil series)

 以下に示す11の目の下に、53の亜目、258の大群があり、亜群は約1000、ファミリーは約4500、分類の最終単位である土壌統は約10500種あるとされています。

エンティソル(Entisol)  最近形成された土壌
インセプティソル(Inceptisol)特徴が少ない(溶脱や風化が弱い)若い土壌
モリソル(Mollisol)* ステップやプレーリーの草原土壌
アルフィソル(Alfisol)  塩基に富む森林土壌
オキシソル(Oxisol)* 熱帯の酸化物に富む極度に風化した土壌
アンディソル(Andisol) 黒ぼく土壌
バーティソル(Vertisol)* 乾、湿の繰返しにより膨張、収縮する暗色粘土土壌
アリディソル(Aridisol)* 乾燥地域の土壌
スポドソル(Spodosol)  酸化物や腐植が移動、集積した土壌
アルティソル(Ultisol)  塩基の欠乏している森林土壌
ヒストソル(Histosol)  有機質土壌
(注)*印は日本には存在しないとされている目

FAO/Unescoの500万分の1土壌図のための分類法
FAOとUNESCOが協力して国際土壌科学会(ISSS)の助力を得て作成した、縮尺500万分の1の世界土壌図で用いられている土壌分類を言います。
土壌図は1978年までに完成し、以下の10図幅(9地域)より成っています。

I.凡例 II.北アメリカ III.メキシコと中央アメリカ IV.南アメリカ V.ヨーロッパ
 VI.アフリカ VII.南アジア VIII.北及び中央アジア IX.東南アジア X.オーストラリア

 以上の9地域で、各々1枚ないし数枚の土壌図と説明書からなっています。分類法は前述の7次試案を骨格としており、129の土壌ユニットからなり、その大分類として26群に分けられています。

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