Q.7)
 北海道で昔から使われている”特殊土壌”とはどのような土壌をさすのですか。また、低位(中間・高位)泥炭土、重粘土、ろ土、鉱質土、有機質土、乾性(湿性)火山性土、疑似グライ土、粗粒火山灰土、ポドゾルなどは具体的にはどのような土壌を言うのですか。

A.7)
特殊土壌とは、重粘土、火山性(灰)土、泥炭土の3種類の土壌の総称です。また、これらにろ土を加えて言う場合もあります。北海道の農地開拓において、物理性や化学性が特に不良なため、作物収量を上げるのに困難が多かったこれらの土壌に対する呼び名として特殊土壌という名前が与えられ、歴史的な重みの感じられる用語です。しかし、現在では土地改良も進み、行政的にはこの用語はもう使われていません。全国各地には、それぞれ”個性的な”土壌がありますが、あえて”特殊”とか”普通”か、というような分け方はしていません。

低位(中間、高位)泥炭土は、低い所や高い所の泥炭土と言う意味では無く、泥炭構成植物の種類(泥炭形成当時の湿地の植生の違い)により分けた呼び名です。低位はヨシ、ハンノキ、中間はヌマガヤ、ワタスゲ、高位はミズゴケ、ホロムイスゲ等がその主な植物です。低位泥炭土が最も分布が広く、高位が次で、中間はわずかです。

重粘土とは、北海道で従来用いられてきた意味としては、褐色森林土、灰色台地土、グライ台地土、などの台地、丘陵地の土壌のうち、粘性が強く、排水不良で、土が硬いものの総称で、特に灰色台地土がその中心概念を占めます。しかし、全国的に用いられる場合は必ずしもこれらの土壌のみをさすわけではなく、粘性が強くて排水が不良の低地土壌(灰色低地土、グライ土など)をさす場合の方が多いと思います(例えば、低湿重粘土、など)。最近は北海道においてもこれらの区別が曖昧になってきましたが、誤解を避けるためには、できるだけ正式な分類名(例、細粒灰色低地土、細粒灰色台地土など)を用いた方がよいでしょう。
 なお、国際法の土性で、粘土含量が45%以上のものをHC(Heavy Clay)と言い、これを単に訳して重粘土と言う場合もあります。

疑似グライ土も北海道においては由緒ある呼び名です。これは灰色台地土(特に粘質のもの)にほぼ相当するものであり、重粘土の中心概念をなす土壌といえます。

ろ土は主に道南地方に分布する、表土が非常に黒くて厚い、ローム質の古い火山灰からなる土壌で、厚層多腐植質黒ボク土に相当します。本州で言う黒ボク土(火山灰土壌の総称)のイメージに近い土壌といえましょう。広辞苑には、「腐植土、くろ土」の意味と書いてあります。

粗粒火山灰(性)土は、ろ土とは異なり、腐植が少なく(あるいはほとんど無く)て、灰白色の火山軽石や火山砂からなる火山灰土壌をさしており、樽前山、駒ヶ岳、カムイヌプリなどから噴出したものが良く知られています。

乾性(湿性)火山性土は、主に十勝地方で使われている呼び名で、火山灰の堆積した水分環境により、乾燥地に堆積したものを乾性火山性土、湿地に堆積したものを湿性火山性土と大ざっぱに2区分したものです。乾性、適潤、湿性の3段階に区分して言う場合もあります。

ポドゾルは、ロシア語由来の名で、寒冷な気候下においてできる特徴的な土壌で、腐植層の下に灰白色の溶脱層と褐色の集積層が形成されます。北海道では山岳ポドゾルの他に道北の一部に砂丘ポドゾルが見られます。

鉱質土、無機質土は、明確な定義はありませんが、一般には有機質土の対語として使われ、泥炭土以外の土壌をさします。なお、鉱質重粘土という言い方がありますが、これは、火山性土との違いを強調するためと思われます。

有機質土は、一般には泥炭土(黒泥土も含む)のことを言いますが、腐植が多量に集積した(腐植含量が20%前後以上)火山灰土壌も含めて言うことがあります。

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