《本書の利用にあたって》

作物に養分の過不足に伴う栄養障害や、病害虫などの生育障害が発生した場合、まずは「診断ありき」です。原因が判ればおのずと対策を講じることができるからです。その際、各種障害に関するカラー写真情報は、現場段階における迅速な診断を行う上で極めて有効です。このような観点から「ビジュアル版 メロンの栄養障害・病害虫」を作成しました。

1 特長

  • メロンの多岐にわたる生育障害を一冊にまとめました。
     栄養障害15、病害13、虫害7、薬害1および寄生植物1の計37種類の障害が計168葉のカラー写真で紹介されています。
  • 栄養障害については、道内の主力である赤肉品種に関する初期一中期一後期の症状を網羅しました。
  • 一部の栄養障害についてはカラー写真情報により診断・確認された現地農家の発生状況も紹介しました。
  • 病害虫では被害状況のみならず、原因となる生物についての情報も提供しました。
  • 紛らわしい障害も紹介しました。

2 留意点

  • 提示した栄養障害の症状は、赤肉「ルピアレッド」の水耕栽培により発現させたものです。基本的な点では他品種および農家圃場で現れる症状と一致しますが、やや異なることも考えられます。
  • 正確に診断できない場合や、対策にあたっては農業改良普及センター等の指導機関や農業試験場の専門家に相談して下さい。

3 用語の説明

本書には発生部位、症状および被害状況を表す専門用語が登場しますが、参考までに主な用語の説明をしておきます。


1)葉の位置
上位葉:つる(茎)の先端に近い葉。展開途中の若い葉。
中位葉:つるの中間に位置する葉。
下位葉:株元に近い葉。展開がほぼ完了している古い葉。
側枝葉(そくしょう):つるの脇から発生した新しいつる(側枝、孫づるなど)に着いた葉。
子葉:発芽直後に出る双葉(ふたば)。
2)葉の各部位(図1)
葉脈:血管のように枝分かれした細いすじ。
葉脈間:葉脈と葉脈の間。
葉縁(ようえん):葉のふちの部分。
葉柄(ようへい):薬とつる(茎)の間をつなぐ柄。
毛茸(もうじ):葉の裏、葉柄およびつるなどの表面に生える毛状の組織。
2)果実の各部位(図2)
赤道部:果実を地球に見立てた時に赤道に当たる部位。
花痕部(かこんぶ):花が着いていた部位。円形にコルク化している。
果梗(かこう):つると果実をつなぐ部位。
ネット:果実の表面に現れたネット状のコルク質の隆起。


メロン各部位の名称


4)症状
黄化症状:葉の緑が退色して、黄化する症状(クロロシス)。
壊死斑(えしはん):細胞が死んで、茶褐色に変色した斑(ネクロシス)。
モザイク症状:ふ入り症状。葉の緑に不規則な濃淡が出る。

4 ビジュアル(カラー写真)情報一覧

表1から表5にかけて本書に記載した各種障害のカラー写真情報の一覧を提示しました。症状、被害状況が記載されているので、検索表としても利用できます。したがって、診断にあたり、これらの表を参考に該当する障害の範囲をしぼりこみ、次にこれらの障害の記載ぺ一ジを開いて診断するとよいでしょう。


表1 メロンの栄養障害

表2 メロンの病害 (その1 かびによる病害)

表3 メロンの病害(その2 ウィルス、細菌による病害)

表4 5 メロンの虫害・薬害・寄生生物


ご注意
電子ビジュアル版「メロンの栄養障害・病害虫」の作成に当たっては、色の処理には十分注意しましたが、お使いになっているパソコン、ディスプレー、ソフトによっては、実物の色と違って見えることがありますので、ご理解の上、利用してください。

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