多量要素の欠乏症


カルシウム(石灰)欠乏

症状の特徴

1)生育初期のカルシウム欠乏は、新葉の展開が不良となり葉が鞭状になるいわゆる“Bull whip”(生皮性の長いむちのこと)症状を発現する。やがてその部分は枯死し、生長点の発育停止が起こる(写真13)。
2)上位葉の葉縁部には黄化症状と切れ込みが入って裂けた状態になる症状が発現する(写真14)。一方、これらの症状が発現しない葉身は比較的濃緑色を呈する。
3)さらにカルシウム欠乏が進むと、下位葉の葉鞘に褐変症状が生じる(写真15)。
4)生育中期以降のカルシウム欠乏では上位葉の葉縁部に黄化症状と切り込み状に裂ける症状が発現する。やがてその部分は枯死するが、生長点の停止は認められず、雄穂は抽出する。
5)しかし、雌穂は先端部が枯死し、抽出が不完全となり、不稔となる(写真16)。


発生しやすい条件

1)高温や干ばつに伴う乾燥条件下で発生し易い。
2)土壌中に窒素や塩基が過剰に存在する場合、カルシウムの吸収が抑制される。
3)湿害に伴う根の機能低下によりカルシウムの吸収が抑制される。




カルシウム欠乏の症状(画像をクリックすると拡大されます 原図21〜30KB)


葉が鞭状となり発育停止(新葉)


写真13 新葉には葉が展開しない鞭状となる“Bull whip”症状を発現する。
上位葉では葉緑部に黄化症状と切り込み状に裂ける症状を発現する。
(4葉期 −Ca3週目)



葉縁部が裂ける(上位葉)

写真14 生育中期以降の欠如処理で発現した葉緑部が切り込み状に裂ける症状。
(9葉期 −Ca1.5週目)



葉鞘の褐色化(下位葉)

写真15 下位葉の葉鞘に発現した褐変症状。(4葉期 −Ca6.5週目)



雌穂先端の枯死

写真16 雌穂の先端部が枯死する。(9葉期 −Ca4週目)



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