ばれいしょの青枯病


 平成17年10月、後志支庁管内のばれいしょ栽培農家圃場から収穫された塊茎の内部維管束部分が著しく褐変する症状が認められた。品種は「男爵薯」である。生育期には茎葉が軟腐症状を示して、早期に枯凋して著しく減収した、また本症状は10年ほど前から見られていたという。定法によって病原菌を分離したところ、単一の細菌が検出された。分離細菌の細菌学的性質や遺伝子診断結果から、青枯病菌Ralstonia solanacearum (Smith) Yabuuchi et al.と同定された。本菌はばれいしょに病原性を有する4種の系統(生理型)が知られているが、分離菌はその中の生理型2と呼ばれる、ばれいしょに強い病原性を有する系統であることが確認された。この系統は主に九州地方などの西南暖地に分布することが知られているが、本道への伝搬経路については現在のところ不明である。収穫後の土壌をもとにした発生実態調査を行った結果では、土壌から病原菌が検出された圃場は1農家の11筆で、最大菌量は106CFU/g・乾土に及んだ。周辺農家への汚染の拡大は見られなかったが、今後の発生に十分注意する必要がある。

 ((独)北海道農業研究センター・中央農試・後志農改センター)

塊茎の症状(切断面)
生育期の症状(原図・堀田光夫)

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