いちごの炭疽病(病原の追加)                 

 平成19年7月に栗山町、同年9月に由仁町のイチゴで萎凋症状が発生した。クラウンを切断すると外側から褐変しており、病変部からは単一の糸状菌が分離された。分離菌を接種すると原病徴が再現され、接種菌が再分離された。PDA上での分離菌の菌叢は白色から後に暗灰色となり、表面に鮭肉色の分生子塊と黒色の子のう殻を形成した。分生子は15.9×5.2μm(平均値:以下同じ)で両端が丸い円筒形であり、分生子塊には剛毛が認められた。子のう殻は直径が112μmで、黒色の球形ないし洋梨形で、頂部は嘴状に突出している。子のうは64.7×10.1μmで8個の子のう胞子が入っており、子のう胞子は17.8×4.7μmであった。PDA上での生育は適温が25〜30℃であり、供試菌はいずれもベノミル耐性・ジエトフェンカルブ感受性であった。また、Colletotrichum gloeosporioides (Penzig) Penzig & Saccardoを特異的に検出するプライマ−によるPCRで陽性を示した。以上から、本菌をイチゴ炭疽病菌Glomerella cingulata(Stoneman) Spaulding & Schrenk (C. gloeosporioides)と同定した。道内ではこれまで、平成10年に士幌町でC. acutatumによる葉枯性症状が、平成18年には江差町および上ノ国町でC. acutatumによる萎凋症状が発生しているが、本菌による道内での本病の発生は初めてである。
 

(中央農試・空知農業改良普及センタ−空知南東部支所)

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