地質研からのお知らせ

ジオパーク

○ジオパークとは

地形学・地質学などの学術的に重要な地層や岩石の露頭(地層や岩石が直接見られる場所)および重要な地形など(ジオサイト)を含む、一種の自然公園です。ジオパークでは、訓練をうけたガイドとジオサイトをめぐるジオツアーや地域との交流をとおして、私たちが暮らす地球のなりたち、人類がどのように大地や生態系と暮らしてきたか、そしてどのようにすればこれからも地域を維持しつつ大地や生態系とともに暮らしてゆけるのか、を学んだり考えたりできます。また、教育の場として、また新たな観光資源として地域の振興に活かします。

ユネスコの正式事業である「ユネスコ世界ジオパーク」と、日本国内における独自の制度である「日本ジオパーク」があります。


2016年9月現在、北海道内には以下の5地域のジオパークがあります。

世界ジオパーク

「洞爺湖有珠山」(2009年8月認定)

「アポイ岳」(2015年9月認定)

日本ジオパーク

「白滝」(2010年9月認定)

「三笠」(2013年8月認定)

「とかち鹿追」(2013年12月認定)

また、十勝岳山麓地域(美瑛町・上富良野町)がジオパーク認定を目指し活動しています。


○ジオパークのネットワーク

・世界ジオパークネットワーク

国際地質科学ジオパーク計画(International Geoscience and Geoparks Program:IGGP)ユネスコの正式事業とされました(2015年11月)。ユネスコの生態・地球科学部門に事務局がある世界ジオパークネットワーク(Global Geoparks Network = GGN)の審査で認定されると、「ユネスコ世界ジオパーク」(UNESCO Global Geopark)を名乗ることが出来ます。


・アジア太平洋ジオパークネットワーク

アジア太平洋ジオパークネットワーク(Asia Pacific Geoparks Network = APGN)は、GGNのアジア支部的な位置付けにある組織です。日本・中国などアジア・オセアニア地域のユネスコ世界ジオパークが加盟しています。


・日本ジオパークネットワーク

日本ジオパークネットワーク(JGN)は、日本国内独自のジオパークの仕組みである「日本ジオパーク」が構成するネットワークです(ジオパークを目指す地域も準会員として参加できます)。全国各地のジオパークが活動の経験やノウハウを共有し助け合うことで、ジオパーク活動をさらに高めていくことを目指しています。年に1度の全国大会のほか、ガイド部会・保全部会などさまざまな部会が活発に活動しています。


○世界遺産との違い

ジオパークはジオサイトを保全しつつ、教育や科学の普及、ツーリズムに活用することで、地域が持続的に発展できることを目指します。保護と活用の両方を重視しているのが、主に保護を目的とする世界遺産とは異なる点です。一般の人が近づけない、あるいは保護のためには近づくべきでないような場所は、ジオパークとはなりません。また、ジオパークでは「場所」だけでなく、そこで行われている「活動」、具体的活動を担う「組織」や「人」、活動を持続させるための長期戦略が評価にあたって重視されます。

○ジオパークになるためには

・立ち上げ~申請まで

まず、住民や市町村や企業、商工会・観光協会・博物館や研究機関などで、地域にはどのような守るべき資産があるのか、なぜジオパークを目指すのか、ジオパークになって何をしたいのか等について十分に議論し、共通の認識をつくる必要があります。続いて、地域協議会のような活動主体を作り、保全・教育・ツーリズムなどジオパークに必要な活動の実績を積んでいくこととなります。ジオサイトの保全について、国や自治体・関係省庁などと緊密に連携をとっていく必要もあります。


・日本ジオパーク・ユネスコ世界ジオパークの認定審査

日本ジオパークになるためには、あらかじめJGNの準会員となったうえで、JGNへ加盟申請書を提出し、年に1回の公開プレゼンテーションと日本ジオパーク委員会(JGC)による現地審査によって認定される必要があります。

ユネスコ世界ジオパークになるためには、日本ジオパークとして実績を積んだうえで、JGCの事前審査と推薦をうけ、GGNへ加盟申請書を提出します。GGNによる書類審査と現地視察および議論により、最終的に認定の可否が決まります。


※日本ジオパーク委員会:ジオパークがユネスコの正式事業になったことをうけ、2016年1月25日に、日本におけるユネスコ世界ジオパーク事業の、登録審査業務に関して権限を持つ機関であるナショナル・コミッティとして、日本ユネスコ国内委員会より正式に認証された機関です。

ジオに関連する分野の学識経験者・専門家を委員、関連省庁をオブザーバとし、日本におけるジオパークの審査・評価を行う、GGN公認の委員会です。事務局はJGNです。JGN、GGNへの加盟にあたって審査を行うとともに、既存のジオパークの活動状況の評価を行います。また、ジオパークの振興と発展に必要な提言を行います。

○再認定制度

すべてのジオパークは、4年ごとにJGN(JGC)またはGGNによる再審査を受ける必要があります。再審査により再認定された地域は、次の4年間もジオパークを名乗ることが出来ます。解決すべき課題によっては、条件付き再認定(解決すべき課題について2年後に再々審査をうけることが条件)、認定取り消し(ジオパークとして認められない重大な問題があり認定を取り消し)となる場合もあります。条件付き再認定となったジオパークが再々審査で再び条件付きとなった場合は、認定が取り消されます。

ジオパークとなった後も常に活動を高め続けなければならないことは大きな負担ですが、活動の質を維持し高めていくことに繋がる、ジオパーク独自の制度といえます。

日本のジオパーク (2016.09月現在)

世界ジオパーク(8地域)
洞爺湖有珠山糸魚川山陰海岸島原半島室戸隠岐阿蘇アポイ岳
日本ジオパーク(35地域)
南アルプス恐竜渓谷ふくい勝山白滝伊豆大島
霧島男鹿半島・大潟磐梯山茨城県北下仁田秩父
白山手取川ゆざわ箱根八峰白神銚子伊豆半島
三笠三陸佐渡四国西予おおいた豊後大野おおいた姫島
桜島・錦江湾とかち鹿追立山黒部南紀熊野天草苗場山麓栗駒山麓Mine秋吉台三島村・鬼界カルデラ
箱根下北筑波山地域浅間山北麓鳥海山・飛鳥
ジオパークを目指す地域(14地域)
古関東深海盆 │ 島根半島蔵王│ 高山市 |
北九州土佐清水秋川流域月山
十勝岳| 三宅島 |東三河| 中央アルプス |那須烏山


関連リンク

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