試験研究は今 No.320「水産資源のリサイクル利用について」(1997年10月3日)

水産資源のリサイクル利用について

はじめに

  水産試験場では、今年度からイカ肝臓(ゴロ)のリサイクル化を検討しています。

  現在、イカ肝臓は全道で約2万5千トン産出され、その内1万5千トンは日本化学飼料(株)で処理・利用されていますが、なお1万トンが未利用資源となっています。

  そこで、釧路水産試験場では、イカ肝臓ミールからペレット養魚飼料を二軸押出し機(エクストルータ)で連続的に製造する技術を開発しましたので紹介します。

  なお、ペレット飼料は中央水産試験場で行われるクロソイを使った飼育試験や蝿集効果試験により、養魚飼料としての適性を検討する予定です。

イカ肝臓ミールの成分

  養魚飼料の主原料になるイカ肝臓ミールの一般成分を表1に示しました。元来、イカゴロは脂質分が高く、栄養的にも優れています。また、釣り餌などにも使用されており、魚介類の餌には好適と考えられます。試験に使用したミールは、粗脂肪26.2パーセントに対し、粗タンパク質が57.3パーセントと比較的高く、養魚飼料の原料として適当と思われます。

表1 イカ肝臓ミールの一般成分(パーセント)
水分 5.2
灰分 7.1
粗タンパク質 57.3
粗脂肪 26.2
その他 4.2

二軸押出し機による連続成型技術

  養魚用ペレット飼料の製造には、粉砕・混練・加熱・成型の加工工程を短時間に処理できる優れた特徴を持った加工機械エクストルーダ(二軸式押出し機)を使いました。

  加工技術的な説明を省略し、工程及び装置の概略を示すと、図1、2のとおりで、ペレット飼料の製造は非常に簡単です。

  イカ肝臓ミールとデンプンを混合した粉状の原料は、エクストルーダに投入されると、スクリューによって搬送される過程で加熱されます。そして装置の

  出口で成型・切断され、ペレット状の飼料となります。原料投入からペレット成型までに要する時間は約1分間です。このとき、デンプンは糊状になり結着剤の役割を果たします。
    • 図1
    • 図2

イカ肝臓養魚飼料とその成分

ペレット状に成型された養魚飼料
  エクストルータでペレット状に成型された養魚飼料を写真1に示しました。粒径は約8ミリメートル、長さ9ミリメートル程の茶褐色ですが、成型器の口径を換えることで粒径を変更することが簡単にできます。

  また、イカ肝臓ミールの配合割合と養魚飼料成分の関係は表2のとおりです。

表2 イカ肝臓養魚飼料の一般成分(パーセント)

イカ肝臓ミール配合率(パーセント) 45 55 65
水分 12.6 13.2 12.3
灰分 3.1 3.8 4.5
粗タンパク質 24.3 30.5 37.8
粗脂肪 11.3 13.9 17.3
その他 48.7 38.6 28.1

  ミールの配合割合を高めると、粗タンパク質、粗脂肪の高い飼料を製造することができますが、成型性及び水中での形状安定性を考慮するとイカ肝臓ミール70パーセントくらいが上限のようです。

おわりに

  エクストルーダを用いると、イカ肝臓ミールからペレット状養魚飼料が連続的に製造することが可能です。しかし残念ながら、直ちにリサイクル利用への道が、開かれた訳ではありません。一度、廃棄物として位置づけられたイカゴロを容易に海の飼料として利用することができないのが現状です。今後の試験研究で、水産業、そして何より海の魚達に喜ばれる結果を中央水産試験場と分担して模索・検討していきたいと考えております。

(釧路水産試験場 加工部 信太 茂春)

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