マガキ:かき養殖漁業

漁業の情報
漁業許可等の区分 | 第一種区画漁業権漁業 |
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主な操業地域 | 他県(主に宮城県)でホタテ貝殻に採苗した天然種苗(以下原盤)を使った養殖はオホーツク、釧路、十勝、渡島、後志 総合振興局管内で、 厚岸町で人工的に採苗した種苗(以下シングルシードカキ)を使った養殖は厚岸町の沿岸で行われています。 |
取材地 | 釧路総合振興局管内厚岸町 |
漁場 | 厚岸湖の水深1~4メートルと厚岸湾の水深13~20メートル、火散布沼の水深1~3メートル |
漁具 | ・養殖施設は一般的なはえ縄式と杭などを湖底に押し立てて組んだ通称やぐら式である。施設1台当たりの長さははえ縄式が100メートル、やぐら式が50メートルである。 ・施設の材料は、はえ縄が太さ18ミリメートル以上のロープで、やぐら式は鉄管やヤチダモの木である。やぐらの組み立てには鉄管が専用金具を、ヤチダモの木は縄を使用する。 ・はえ縄の固定には杭やアンカー、コンクリートブロックを用い、アンカーは施設1台当たり37.5キログラム以上のものを2丁使用する。フロートは主に直径30~36センチメートルのものを使用する。 ・原盤の垂下連はロープへの挟み込み式と針金式の2種類があり、針金式には鋼線の針金と原盤の重なりを防ぐために12~14センチメートルのビニールチューブを使用する。垂下連の長さは1~1.5メートル。 ・養殖かごは直径50~60センチメートルの丸かごで、湖内では1~5段かご、湾内では5~10段かごを使用する。主な目合いは3・5・7分(0.9・1.5・2.1センチメートル)目合いで、シングルシードカキのみ直径40センチメートルの1分(3ミリメートル)目合い丸かごも使用する。かごの耐用年数は5~10年。 |
漁期 | 周年 |
漁船規模 | 船外機船 |
出荷形態 | 殻付き・むき身 |
対象魚の情報
標準和名 | マガキ |
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英名 | Pacific oyster、Japanese oyster |
科目 | カキ目イタボガキ科 |
学名 | Crassostrea gigas (Thunberg) |
俗名、地方名 | カキ |
混獲魚 | なし |
道内主産地 | 網走地方のサロマ湖、釧路地方の厚岸湖・湾及び火散布沼、渡島地方の知内町海域、後志管内寿都町など |
漁業のすがた
(1)原盤養殖
明治初期から行われる厚岸のカキ漁業は、現在、種苗のほとんどを他県の天然種苗に依存しており、それらを毎年4月頃に搬入し養殖が行われています。搬入後の種苗は、ロープや針金に固定し湖内で1~2年養成した後、原盤から外してカゴ養殖に切り換えます。その後、厚岸湖の奥部での産卵や放精、湾内での身入り促進などを経てようやく出荷することができます。養殖サイクルは2~3年で、出荷はほぼ周年行われています。
(2)シングルシードカキ養殖
厚岸町では、平成11年に国内初となるシングルシード方式の種苗センターを整備し、毎年4月頃に殻高3~5ミリメートル種苗数百万個を数十漁家に配布しています。 配布後の種苗は、出荷まですべてかごで養成され、最初は1分目合いのかごに収容し、成長に合わせて目合いの大きいかごに入れ換えます。その後は原盤養殖と同様の工程を経て出荷となります。出荷サイズのカキは、普通のものに比べ小ぶりですが殻に深みがあるのが特徴です。現在の主な出荷時期は11~12月となっています。
明治初期から行われる厚岸のカキ漁業は、現在、種苗のほとんどを他県の天然種苗に依存しており、それらを毎年4月頃に搬入し養殖が行われています。搬入後の種苗は、ロープや針金に固定し湖内で1~2年養成した後、原盤から外してカゴ養殖に切り換えます。その後、厚岸湖の奥部での産卵や放精、湾内での身入り促進などを経てようやく出荷することができます。養殖サイクルは2~3年で、出荷はほぼ周年行われています。
(2)シングルシードカキ養殖
厚岸町では、平成11年に国内初となるシングルシード方式の種苗センターを整備し、毎年4月頃に殻高3~5ミリメートル種苗数百万個を数十漁家に配布しています。 配布後の種苗は、出荷まですべてかごで養成され、最初は1分目合いのかごに収容し、成長に合わせて目合いの大きいかごに入れ換えます。その後は原盤養殖と同様の工程を経て出荷となります。出荷サイズのカキは、普通のものに比べ小ぶりですが殻に深みがあるのが特徴です。現在の主な出荷時期は11~12月となっています。
増殖と管理
厚岸湖や厚岸湾では、貝毒や赤潮の発生などの漁業に与える自然現象が時折みられるとともに、近年の漁業生産量の増加などから漁場環境の悪化が懸念されています。
このため厚岸漁協では、湖内と湾内における養殖施設台数に制限を設けるとともに、漁場環境の把握と監視を目的に水質や底質に関する漁場環境調査を継続して行っています。
シングルシードカキ養殖については平成15年度から少しずつ出荷が行われていますが、その年や漁場の環境などによって生産量は不安定となっています。現在、大量生産技術の確立に向けて養殖漁家や関係機関が一体となって養殖試験などの取り組みを進めているところです。
このため厚岸漁協では、湖内と湾内における養殖施設台数に制限を設けるとともに、漁場環境の把握と監視を目的に水質や底質に関する漁場環境調査を継続して行っています。
シングルシードカキ養殖については平成15年度から少しずつ出荷が行われていますが、その年や漁場の環境などによって生産量は不安定となっています。現在、大量生産技術の確立に向けて養殖漁家や関係機関が一体となって養殖試験などの取り組みを進めているところです。
写真で見る
施設・漁場
養殖作業(原盤養殖)
養殖作業(シングルシードカキ養殖)
出荷・製品
協力:釧路総合振興局管内/厚岸漁業協同組合 かき垂下式養殖班・かき、あさり養殖班・シングルシードカキ養殖協議会
取材:釧路地区水産技術普及指導所
取材:釧路地区水産技術普及指導所