ヤナギダコ:たこ漁業(やなぎだこ空釣り縄)

ヤナギダコ

漁業の情報

漁業許可等の区分 知事許可漁業
主な操業地域 空釣り縄は全道で行われていますが、ヤナギダコを対象とした空釣り縄は太平洋沿岸が大半で、釧路管内では白糠周辺海域が中心です。
取材地 釧路総合振興局管内白糠町
漁場 白糠周辺海域水深50~300メートルの漁場で、底質は砂泥や岩盤
漁具 ・仕掛けは、「ざる」に小分けにして(針100本分が)セットされており、縄を繋いで投縄され、1放し(建て)の縄にはざる50鉢(枚)分の仕掛けが付く。
・1放しの長さは約1,800メートルで、アンカーを両端とざる10鉢分ごとに付け、両端にボンデン(浮標)を立てる。
・ざる1鉢分の長さは約36メートルで、浮き玉として合成アバ(浮子)とガラス瓶を交互に付け、合成アバの下には石が沈子として付けられている。
・浮き玉の間に長さ2尺8寸(84.8センチメートル)の「ヤメ」(枝縄と針)が8本ずつ取り付けられ、ざる1鉢分には100本の「ヤメ」が付いている。
・針は、ステンレス製角型蛸針「白糠型1.5ミリメートル」。
漁期 12月上旬から5月中旬
漁船規模 10トン未満動力船
出荷形態 鮮魚

対象魚の情報

標準和名 ヤナギダコ
英名 chestnut octopus
科目 八腕形目マダコ科
学名 Octopus (Parochopus) conispadiceus (Sasaki)
俗名、地方名 コダコ、マダコ(雌)、シオダコ(雄)、ギンダコ
混獲魚 ミズダコ
道内主産地 北海道周辺で漁獲されますが、そのうち日高、十勝、釧路地方の太平洋沿岸の漁獲が80%以上を占める。

漁業のすがた

ヤナギダコは白糠の地域特産的な重要魚種で、冬から春の主要な漁業対象種として空釣り縄で漁獲されています。空釣り縄は大正時代からの伝統的な漁法で、針を仕掛けた縄を沖陸(沿岸線に垂直)に海底に張り、移動するタコを掛けて獲るもので、餌は使いません。
操業は3~4名の乗組員で行い、年毎にローテーションで割り当てられた3~4カ所の漁場に縄を敷設して、15~20日ほどの間隔で引き揚げと投入を繰り返して行います。漁は寒さの厳しい冬期が中心となるため、操業日数や時間は気象条件に大きく左右される漁業です。

増殖と管理

白糠漁協では、タコ産卵礁により資源の増殖を図るため古くは昭和40年代から古タイヤを利用した試験に取り組み、昭和60年代からは素焼き土管産卵礁の投入、最近は広域事業により大規模な産卵礁の設置を行っていますが、当海域での産卵礁への入礁・産卵率は高く、その事業効果が期待されています。
また、資源の保護を目的に漁具数など操業条件の制限や小型のタコを自主的に再放流しています。さらに、産卵礁調査や漁獲物調査等を実施してヤナギダコの生態の解明にも取り組んでいます。

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模式図・漁具
  • 模式図:漁具の敷設図。

  • 漁具の準備1:家族で縄をさやめます(ざるに仕掛けを準備します)。

  • 漁具の準備2:手前のシートにまとめられている仕掛けを、左後方のざるに順番にセットしていきます。

  • 仕掛け:こんな感じで海底に仕掛けが敷設されます。

  • ざるにさやめられた仕掛け:縄さやめが完成した状態です。

  • 釣り針:縄入れで絡まぬよう順に並べられた釣り針。

  • 釣り針:タコ空釣り用の特殊針(ステンレス製角型蛸針「白糠型1.5ミリメートル」)です。

操業
  • 積み込み1:漁具(ざる、アンカー、浮標等)を船に積み込みます。

  • 積み込み2:ざるがくずれないように船上に並べる。

  • 漁具敷設1:始めにアンカーを投入します。

  • 漁具敷設2:船を走らせながら縄を入れていきます。

  • GPS:縄入れの位置をGPSで記録しておき、15~20日間後に縄を揚げます。

  • 縄揚げ1:仕掛けてあった縄をドラムで巻き上げます。

  • 縄揚げ2:針に掛かったタコをカギで引っかけて船上へ取り上げる。

  • 漁獲物1:針に掛かった状態のヤナギダコ。

  • 漁獲物2:漁獲したヤナギダコ。

  • 漁具回収1:ざる1枚分の縄をたぐりまとめる。

  • 漁具回収2:縄を洗浄し、シートでまとめます。

出荷
  • 出荷:船倉から雄雌を選別しながら(吸盤の並びで判別)出荷用タンクに収容します。

  • 計量:漁獲したタコを漁協の市場で計量します。

  • ヤナギダコ:出荷用タンク内のヤナギダコです。

協力:釧路総合振興局管内/白糠漁業協同組合 たこ縄部会
取材:釧路地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日

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