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特集 平成15年度研究成果発表会
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 ● 特集 平成15年度研究成果発表会
道産エンジニアードウッドの新たな利用技術の開発
企画指導部 企画課 大橋 義徳
1.研究の背景とねらい
 近年,住宅に使われる梁や柱の材料として,寸法精度や強度に優れたエンジニアードウッド(EW)と呼ばれる材料への関心が高まっています。EWの中から断面がI字の形になっている道産I形梁と,異なった樹種の板材を接着剤ではりあわせた異樹種集成材を取り上げ,実用化に向けた検討を行いました。

2.研究成果の内容/特徴

【道産I形梁の新たな用途開発】
 北米で一般的な住宅建築方法であるツーバイフォー工法の床根太(床を支える水平方向の材料)として林産試験場で開発した道産I形梁(写真1)を日本の一般的な住宅建築方法である在来構法に利用することを検討しました。I形梁を用いて写真2のように床や屋根と同じ作り方で3m×3mのパネルを組んで強さを調べた結果,十分な強さがありました。また,8畳程度の部屋を組み上げ,地震の力を加えた試験を行った結果,地震にも十分耐えられることを確認しました。さらに,I形梁を用いた実験住宅(写真3)やモデルハウスを建てて,実際に建てる上での利点や改善点を明らかにしました。

【異樹種集成材の実用化】
 道産針葉樹のカラマツ,トドマツを内側に,それより強度性能の高いダフリカカラマツ,ベイマツを外側に組み合わせた異樹種集成材について試験を行いました。10枚の板をはり合わせた幅105mm,厚さ300mm,長さ300mmの試験体で,集成材の耐久性の重要な目安である接着力試験を行いました。写真4はそのうちのはく離試験の結果です。その結果,すべて構造用集成材の日本農林規格(JAS)に決められた条件をクリアしました。また,上記と同じ断面寸法で長さ6mの試験体の実大曲げ強度試験(写真5)を行い,これもJASの基準をクリアしました

3.研究成果の利用
 道産I形梁と異樹種集成材を普及するため,製造側である林産業界と利用者側である建築業界へ積極的に普及していきます。
 

写真1 道産Ⅰ形梁

写真2 床組のせん断試験

写真3 実験住宅

写真4 はく離試験の結果

写真5 実大曲げ強度試験
 
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