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● 特集 平成15年度研究成果発表会 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
きのこ道産品種の食味性向上技術の検討 きのこ部 生産技術科 原田 陽 |
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1.研究の背景とねらい いままで,きのこ栽培では収量が重視され,きのこの食味やその向上を目指した試みはほとんど行われてきませんでした。食味を良くすることで商品価値が高まり,消費の拡大が期待されます。ブナシメジの一般的な味覚の特性として,食感(歯ごたえ)が良いことが挙げられます。しかし,他のきのこと比較すると苦味が強いと言われ,食味の改善が望まれます。 本研究では,当試験場で開発したブナシメジ道産品種「マーブレ88-8」(写真)の他,市販品種を含めて,その食味を評価しました。 2.研究成果の内容 (1)食味評価の結果 食味は,きのこを育てる培地の影響より品種(種類)の影響が大きいことが分かりました(表)。また,旨味と甘味が増すと総合評価が高まり,苦味が増すと総合評価が下がることが確認できました。きのこの旨味や甘味,および苦味が商品としての価値,ひいては売れ行きに大きな影響を与えることが分かりました。 (2)成分分析の結果 味覚に関わる成分は,その種類によって決まるようで,特に甘味に関与する糖類や旨味に関与するグアニル酸含量の差が大きいことが分かりました。また,外観の鮮度が低下しない程度に低温で保存することにより,味覚にかかわる成分が増加することがわかりました。特に,旨味にかかるグアニル酸,アミノ酸の変化が大きいことから,保存方法の工夫により,これまで以上に食味の改善・向上が可能になると思われました。 3.研究成果の利用 (1)旨味・甘味の強い品種や培地の開発に取り組みます。 (2)きのこの食べ頃,すなわち鮮度と食味の関係を明らかにしていきます。 (3)他のきのこについても食味評価を適用することにより,きのこの再評価や需要の喚起につなげたいと考えています。 |
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![]() 写真 マーブレ88-8(道産品種) |
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表 ブナシメジ子実体の官能評価(食味評価)の結果
方法:対照試料と比較して、5段階評価(-2~+2)を 実施した。+ほど強く感じたことを示す。 |
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