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きのこの品種登録
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きのこの品種登録
-ブナシメジ道産品種「マーブレ88-8」を例に-
きのこ部生産技術科  原田 陽

品種登録って何?
 毎年きれいな花や高品質の野菜など,新品種がたくさん作りだされています。農林水産業において優良な品種の確保は,生産の基礎となるものです。良質,多収,耐病性等に優れた多様な品種の育成(選抜した上で品種として確立すること)は,農林水産業の発展を支える重要な柱です。そこで,種苗法に基づく品種登録制度により育成者の権利を保護し,新品種育成の振興を図っています。 

品種登録はなぜ必要か?
 新品種を育成するためには多くの費用と長い時間がかかりますが,その品種が世に出た場合,その品種を容易に増やすことが可能となる場合が多々あります。そこで新品種の育成者の権利を守っておかないと,品種開発にかかった費用の回収もできず,次の新品種の育成にも取り組めないことになります。したがって品種登録制度では,新品種を審査した上で登録し,その登録品種については,品種登録をした人の許諾(契約して認めること)がなければ使用することや増やして売ることができないことにしているのです。

品種登録を受けるための要件は?
 新品種として認められるためには,区別性,均一性,安定性の要件を満たすことが必要となります。区別性とは,既存品種と種々の特性すなわち,遺伝的,生理的,栽培的および形態的特性により,明確に区別できることを示します。均一性とは,同一世代で特性が十分均一であること,安定性は増殖を繰り返しても特性が安定していることを示します。すなわち,既存品種と特性が明らかに異なり,かつ品種として確立されているものが登録の対象となるのです。

品種登録を出願するまでに必要なことは?
 優良な品種を開発した後に,出願に向けた品種の特性に関わる膨大なデータを蓄積することが必要となります。当場で開発した「マーブレ88-8」の場合,既存の2品種と寒天培地上の菌糸成長,栽培条件および発生したきのこの形や色について既存品種と比較し,データを整理しました。その後,品種の特性表を含む書類を作成しました
新品種マーブレ88-8ブナシメジ既存品種
形や色の違い(左:マーブレ88-8 右:既存品種)

品種登録を受けるまでの流れは?
 品種登録を受ける場合には,まず出願品種の内容を記載した願書を提出します。出願から登録までには,通常3年程度かかります。出願公表(出願後約半年)後に現地調査(出願後約1年)または外部施設による栽培試験が行われ,出願品種が既存品種と区別される新品種であるかどうかなどの審査が行われます。「マーブレ88-8」の場合,現地調査が林産試験場で行われました。調査には,農林水産省の審査官と学識経験者が来場し,新品種の栽培の様子を見た上で,書類の内容と実物を見比べながら,新品種の妥当性が検討されました。品種登録の要件を満たすときは品種名等が官報に掲載されて登録完了し,育成者の権利が発生します。なお,出願公表から登録までの期間も,育成者の権利は守られ,育成者の許諾により品種の使用が可能となります。

登録品種の活用
 平成12年4月に出願したブナシメジ道産品種は,品種名「マーブレ88-8」として同年10月に出願公表,13年4月の現地調査を経て,14年12月に正式に品種登録を受けることができました。出願から2年8か月かかりました。
 本品種は,13年4月に道と道内企業の間で品種使用の許諾契約が締結され,以降生産販売され,現在に至っています。

「マーブレ88-8」の生産の様子
 
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