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職場紹介  第6回 きのこ部 品種開発科

 北海道では,きのこは年間約16,000トン生産されており,生産量は毎年ほぼ同じです。しかし,原材料費や人件費は年々高くなっている上に,安い輸入品が増えてきているので,これに引きずられて売値(市場価格)は下がりつつあるため,生産者は,利益が十分見込める見通しがはっきりしない不安定な経営を強いられています。

 このような状況をふまえて,品種開発科では北海道職員としておごり高ぶることなく,常に生産者の目線にたった試験研究を,わずか2名という少ない人数で日夜,鋭意努力を重ねています。


●研究設備

 液体クロマトグラフィー(写真1)という分析装置によって,きのこの成分等に関する基礎的な試験研究を行うことができます.また,遺伝子増幅装置や細胞融合装置という機械によってバイオテクノロジーの研究を行うこともできます。

 きのこの栽培は空調設備を備えた約20m2の部屋を6部屋使用して,温度等を変化させたりして,シイタケをはじめとした種々の食用きのこの栽培試験を行っています(写真2)。


写真1 液体クロマトグラフィー

写真2 培養室

●研究内容

 平成15年度までは「未利用副産物を用いたきのこ栽培技術の開発」と題して,モミ殻,ソバ殻,タマネギの皮といったこれまで捨てられてきた農業副産物を利用してシイタケやタモギタケなどのきのこを栽培する技術を開発しました(写真3,4)。具体的には,おが粉培地(きのこを育てる苗床)の成分としてこれらの農業副産物を加え,それぞれの成分の割合を最適化することで,栽培期間の短縮,収量の増加といった成果があることを見出しました。

 特にソバ殻については既に道内のソバ生産地近隣の生産者に広く使っていただいており,きのこ生産者からは原材料のコストダウン,生産期間の短縮,収量の増加などの効果があったと喜ばれております。さらに,これまで処理に困っていたソバ殻が利用できるためソバの生産者や処理業者などの農業関係の分野にも大きく貢献できました。

 現在は,付加価値を高めることで値段が高くても買ってもらえるきのこを開発することを目指して,「シイタケの菌床栽培における機能性付与技術の開発」というテーマで研究を進めています。これはビタミンや有用ミネラルといった栄養成分を強化したシイタケを栽培する技術の開発です。

 今後はシイタケ生産のランニングコスト(収量あたりの生産コスト)を下げることで生産効率を高める研究として,廃菌床(きのこを収穫した後に残る苗床)のリサイクルなどに取り組む予定です。


写真3 シイタケ

写真4 タモギタケ
 
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