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林産試だより2004年10月号2
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木になるフェスティバルの一日

企画指導部 普及課


 第13回木のグランドフェアの初日を飾るイベント“木になるフェスティバル”を,林産試験場構内で7月24日(土)に開催しました(写真1)。みなさまに,木材や林産試験場の試験・研究に対して驚き,関心,興味を持っていただき,より長く滞在して体験いただくため,様々なイベントを用意しました。
 そのにぎわい,反響ぶりをご紹介します。


写真1 「木になるフェスティバル」オープニング

【おもしろ科学体験コーナー】

 これは,現在試験場でどのような研究・試験を行っているのかを理解していただくために,5つの研究部がそれぞれ創意工夫して出展したものです。

○ 性能部:「木の良さを感じてみませんか」

・木材の香りを嗅ぐ:木材を入れた缶に空気を送り,そこから発生した香りを嗅いでいただきました。森をイメージする木材(針葉樹)は好評でしたが,少々酸っぱい香りの木材(広葉樹)にも別な意味で関心が寄せられていました(写真2)。
・木,アルミ,プラスチックの感触:見えないように隠した木,アルミとプラスチックを手で触り,木材のぬくもりを体感していただきました。このぬくもりが結露の防止に有効なのですが,当日は気温が高く,生ぬるいと感じた方も多かったようです。


写真2 どんな香り?


○ 利用部:「木材の実験室」(写真3

・木を顕微鏡で観察しよう:木材は樹種ごとにその形や色が異なり,顕微鏡で拡大するとさらに不思議な姿が現れます。木材がいくつもの小さい穴の重なった構造であることに“ヘエ”の嵐でした。
・炭を使って浄水:炭には不純物や色素などに対する優れた吸着能力があります。汚れた水が一瞬できれいになり,ここでも“ヘエ”の嵐でした(写真4)。


写真3 木材の実験室

写真4 炭の威力

写真5 花・木の香り

写真6 焼きイモ
・香りの体験:花,葉,木材中の精油は,アロマテラピーに使用されます。女性に好評でした(写真5)。
・ペレットストーブの焼きイモ:オガコなどから固形燃料が作られます。ここでは,これで作った焼きイモを試食していただきました。おいしいけれど,とても暑い日。秋に是非との声もありました(写真6)。
・防腐剤の識別:現在,試験場で重点的に研究しているものです。身近な話ではないので,少々わかりにくかったようですが,研究の一端に触れていただきました。


○ 技術部:「電動工具いろいろ教室」

 電動工具を体験いただきました。日曜大工には不可欠な電動工具ですが,一度も使ったことがない方には,便利さ,おもしろさは全く理解されていないようです。そこで,電動ほぞきり,糸のこ盤,研磨機などを使ってワイン立てを組立ていただくコーナーを設けました(写真7)。ワイン立てにアニメキャラクターやイラストを彫ることで,さらに個性豊かな作品が完成しました(写真8)。お父さんたちの真剣な顔に,提供した側も満足できるコーナーでした。


写真7 電動工具体験

写真8 ワイン立て


○ きのこ部:「わくわくきのこ体験」

 きのこに関する一連の体験コーナーです(写真9)。きのこクイズ,きのこの作り方(写真10),きのこ狩りなど,チョット精巧でチョット難しいけど,不思議な体験コーナーと好評でした。募集人員の限られるコーナーですが,来年も狙い目です。


写真9 きのこクイズ

写真10 きのこの種付け

○ 企画指導部「木になるゲームコーナー」

 木材を使ったゲームを企画しました。バケツいっぱいに木材をいれて,重さを当てる“目方でドン”。木材はけっこう軽かったり,重かったり。子どもたちの歓声でいっぱいでした(写真11)。

”
写真11 “目方でドン”

【合板試験棟見学会】

 “丸太のかつらむき大公開”と題した合板工場の見学コーナーです。玉切りした丸太を,ベニヤレースでいわゆるかつら剥きに切削した後(写真12,13),クリッパで切断,乾燥して単板ができるまで(写真14)をお見せしました。なお,さらに単板を交互に重ね合わせて,接着剤で張り合わせたものが合板です。20年ほど前ですと合板工場の見学は小学生の定番コースでしたが,今では見たことがないお子さんも多く,単板が上手にむかれる巧みさ,豪快さは一見の価値があったようです。思わず,記念の一枚を取る家族も見られました(写真15)。


写真12 ベニヤレース

写真13 かつら剥き

写真14 単板の乾燥

写真15 合板記念

【木工工作体験コーナー】

 バードテーブル(写真16),オリジナルウッドコースター(写真17,18),ベンチづくり・・・恒例の工作体験ですが,今年もみなさんの熱心さに頭が下がりました。小さなお子さんでも,長時間,作品づくりに集中できるのを見て,木材に対する日本人の思い入れの深さ,文化を感じました。


写真16 バードテーブルづくり

写真17 コースターづくり1

写真18 コースターづくり2

【上川支庁,企業コーナー】

 さらに,上川支庁林務課ならびに上川南部森づくりセンターにはお絵かきオリジナルウッドコースターづくり(写真19),アクセサリーづくり,久保木工(株),(株)クマガイ,下川町森林組合(写真20)には「やすらぎの住生活を提案」を出展していただきました。来場の皆様には,試験場とは異なる視点からの工作体験,展示を満喫していただきました。カラマツの松ぼっくりを使ったアクセサリーはとてもかわいらしく,たくさんの女の子に囲まれていました。


写真19 ウッドコースターづくり

写真20 企業出展

【北の木が生み出す音の世界展,森の小人の音楽会】

 木と暮らしの情報館前で開催した音楽会では,「森の小人の音楽会」と題してピアノ教室に通われている30名の生徒さんにエレクトーンを演奏していただきました(写真21)。緊張顔で,この日に向けての特訓が想像されました。ご家族,お友達もハラハラしながらのビデオ撮り,声援でした。お母さんの好きな曲を選ばれた生徒さんも多く,職員もノリノリの懐かしい曲もありました。情報館のウッドデッキ,ウッドブロックとエレクトーンは,コンサート会場として一体感もあり,今後の風物詩となる予感がしました。

 また情報館では,演奏会に合わせて,ピアノができるまでの工程,部材を展示しました(協力:北見木材(株),蝦名林業(株),(株)ヤマハミュージック北海道)。楽器,とくにピアノには道産材がふんだんに使われています。しかし,通常ピアノは鍵盤の白さ,黒塗りのフレーム,弦の輝きが目立ち,最も重要な役割を担う木材の存在感は低いものです。そこで,ピアノの命である木材の使われ方を展示しました(写真22,23)。
 楽器は,こだわりが強い世界です。北海道のアカエゾマツは,優れたピアノ部材になります。しかし,その中でも,年輪が細かく,均一なものだけが使用され,当然,節,割れ,ヤニつぼなどの欠点は許されない世界です。100本のアカエゾマツから5,6本だけが,優れたピアノの部材になるのだそうです。職人さんが選びに選び,部材を丁寧に張り合わせてピアノを作るのです。演奏中に折れたり壊れたりしないように,とにかく丁寧に作られているのです。匠に敬服でした。


写真21 森の小人の音楽会

写真22 ピアノのアクション部

写真23 ピアノの響板

【木を暮らしに活かす講演会「北の木と語る 西川栄明氏」 「本田匡写真展」】

 今回の目玉である講演会には,多くの皆様にご聴講していただきました(写真24)。また,講演会のスライドを多く含む写真展を行い,見学していただきました。西川さんには,ナラ,タモ,ニレ,エゾマツなど12の樹種ごとに,それに係る文化,技術をお話いただきました。樹種ごとに個性が全く異なり,木とともに生きる職人さんのこだわり・熱意が,講演と写真から強く認識させられました(写真25)。作品(写真)の迫力,凄さは見応えのあるものでした。


写真24 西川氏講演会

写真25 本田氏写真展

 “木になるフェスティバル”を通して,普段,飽きっぽいと言われる子どもさんたちが,2時間以上も集中して作品づくりに励む姿に安心させられ,改めて木材のすばらしさを感じました。
 来年は,さらにこだわりを持ったイベントを企画・検討中です。ご期待ください。
 
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