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Q&A 先月の技術相談から
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Q&A 先月の技術相談から

Q 台風18号は街路樹にも多大な被害を及ぼしました。落枝葉は,どのように活用したら良いでしょうか。


A 街路樹の被害にも,山林同様に根返り,湾曲・傾き,幹折れ,割裂,梢折などが見られます。ここでは多量に梢折した枝・葉を利用する方法をお話しします。

 街路樹には地域のシンボル,町並み,適応性や維持管理等を考慮して,ナナカマド,プラタナス,イチョウ,ニセアカシア,サクラ類,カエデ類などが選ばれます。また,道路防雪林として常緑の針葉樹も植えられています。
 街路樹の維持管理は,除雪や通行の妨げにならないように高さ2mくらいまでの枝打ち,電線や信号,標識との交錯を解消するための整枝・剪定,病害虫防除,下草刈りや施肥等が施されます。また,予期せぬ野鼠,雪,台風被害が発生したときにも適宜整理されます。

 以前は,落枝葉,剪定屑は焼却するのが一般的でした。しかし,豊かな街づくり,暮らしの憩いや潤いに欠かせない街路樹なら,なおさら,焼却に伴うCO2の発生を抑える処理が望まれます。やはり,木材の特長(透水性,吸水性,分解性,耐久性など)を生かした用途,例えば雑草よけのマルチング材,緑化資材,敷料・堆肥などへの利用が求められます。

 落枝葉,剪定枝は,昨今,活用が図られている間伐材,抜根,建築解体材などと,基本的には同じ利用が可能です。しかし,かさ張ること,水分が多いこと,タンパク質,油分,糖分などが多いこと,その他,雑菌や昆虫,クモ,ダニなど小さな生きものが多く潜んでいることなどへの留意が必要です。なお,葉や実などを付けた時期と枝のみの時期では,当然,含まれる成分も大きく異なります。

 過剰な心配は無用ですが,利用者,農家などからは,単に粉砕するだけでは,見栄えが悪い,虫や病気が出る,ダストが出るなどの意見が挙げられます。その声に応えて,回転式圧縮・混練作用によって繊維まで粉砕する装置(写真1)も普及してきました。繊維化の過程で圧縮,加熱されるため(写真2),雑菌・雑草種子も死滅するので,安全な緑化資材,敷料として利用できます。さらに,処理により分解しやすくなることから,堆肥化も良好に進みます。

 その他,燃料,ペレットやブリケット(固形燃料)材料にも適当と思いますが,成形しやすいかなどの詳細はこれからの課題です。
 風倒木(落枝葉)は発生量,場所,時期が計画できないことから,敷料などとしての供給計画は立てられないものの,関係者の連携と創意工夫によって様々な活用が可能で,また,それらの努力が求められる時代となっています。


写真1 回転式圧縮・混練装置による剪定枝の粉砕

写真2 回転式圧縮・混練装置による粉砕物
(企画指導部 普及課長 斎藤 直人)
 
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