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林産試だより2005年月号 Q&A 先月の技術相談から
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Q&A 先月の技術相談から
Q:床暖房用の単層フローリングを商品化したいのですが,何に注意すればよいでしょうか?

A:規格・基準、一般的な単層フローリングの注意点、床暖房用に特有の注意点に分けて説明します。

 規格・基準

 まず一般的な単層フローリングとしての性能を備えなければなりませんので,「フローリングの日本農林規格(JAS)」に適合する必要があります。
 床暖房用フローリングの性能は,未だ規格化されてはいませんが,日本フローリング工業会から「床暖房用として使用する単層フローリングの試験基準」が示されていますので,JASとともにこの基準に適合することが必要となるでしょう。

 一般的な注意点

 上述の規格や基準をクリアした上で,床暖房用フローリングの製品化に最も大切なのは含水率の管理だと言えるでしょう。出荷時含水率はもちろん,流通の過程で雨水や湿気,あるいは乾燥の影響を受けないように,梱包にまで配慮しなければなりません。
 針葉樹であっても広葉樹であっても,木材は含水率の変化に伴って寸法が変化します。施工した場所でフローリングが乾燥するような状態になると収縮してフローリングの合わせ目にすき間ができてしまいます(写真1)。逆にフローリングが湿気を吸うような状態になると伸長して,フローリングが押し合い,最悪の場合,逃げ場を失って床下地から浮き上がってしまいます。

写真1 フローリングの合わせ目に生じたすき間
 ですから寸法が安定するように,施工先での平衡含水率を知ることや,床下地が湿気を呼ぶような仕様になっていないか,フローリング張りを行う前に材料を現場で養生させられるような施工スケジュールが組まれているか,などトータルな施工仕様までを考えておく必要があるでしょう。ただ材料を供給するだけというのでは,クレームが発生した時に大きな損害を被ってしまうことになりかねません。
 さらに,きちんと設計・施工できたとしても,ワックスがけなどのメンテナンス方法を誤ると手入れのはずがトラブルの原因となってしまいますので,そのあたりまで徹底した指導が必要となります。

 床暖房フローリング特有の注意点

 床暖房用フローリングにおいては,冬季に下地側から加熱され,確実に乾燥が進みます。本州では梅雨どきに湿度が上がり吸湿しますので,その乾燥~吸湿に耐えるだけの工夫が必要となるでしょう。
 現在商品化されている床暖房用単層フローリングに用いられているのはナラ(オーク),カバ(バーチ),ブナ(ビーチ),カエデ(メイプル)などの広葉樹ですが,幅を55~75mmと普通のフローリングより狭くし,幅方向への寸法変化を吸収できるように工夫されています。さらに商品ごとに生産過程での工夫が成されているようで,載荷乾燥,高温乾燥,6面塗装,4方本実(ほんざね)加工などを施していることが併記されています。

 おわりに

 フローリングは使用される用途によって,要求される性能が大きく異なります。例えば,一般住宅の居間とデパートの売場,体育館などで同じフローリングを用いることはないでしょう。ですから,どの用途にターゲットを置くかを考えて,必要な性能の付与,床仕様の検討など,トータルな品質管理を行う必要があります。
(技術部 成形科 澤田哲則)
 
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