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林産試だより2005年6月号 平成17年度 林産試験場の試験研究の紹介 III. 木材産業等の体質強化を図る技術開発
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III. 木材産業等の体質強化を図る技術開発 (新規4課題,継続4課題)

1)カラマツの建築用材利用促進のための生産・管理技術の改善(一般:H16~17)

 北海道の主要な人工林樹種であるカラマツは大径化が進んでおり,より付加価値の高い建築用材としての利用拡大を図る必要があります。そこで,カラマツを建築用材として利用拡大していくため,年間を通じた安定的な製材生産技術の開発,品質の高い人工乾燥材の低コスト生産技術の開発,簡易強度測定技術の確立および強度表示による効果の検証などを総合的に実施し,それぞれの技術を導入した場合のコストの改善効果を検討します。

2)プレス圧縮による未乾燥材の脱水技術の開発(一般:H17~18)

 人工乾燥製材の仕上がり含水率の不均一の解消と乾燥時間の短縮を図り,乾燥コストの削減と乾燥製材の品質を向上させるため,乾燥前にプレス圧縮をすることにより木材中の水分を脱水し,初期含水率を低下・均一化する技術を開発します。

3)木材の迅速熱圧硬化処理技術の開発(一般:H17~18)

 針葉樹材は熱圧することで高密度になり広葉樹同等に表面を硬くすることができるため,広い用途で用いることが可能となります。ここでは,処理条件等の検討を進めることで,より迅速に,かつ節の多い間伐材などでも容易に加工できる技術を開発します。

4)乾燥室内の温湿度均一化に関する研究(一般:H16~17)

 集成材のラミナを蒸気式乾燥装置で乾燥する際に,その乾燥・養生期間の短縮には,乾燥工程でのラミナの含水率の均一化が効果的です。しかし,そのためには,乾燥装置内の温湿度をできるだけ均一にする必要があります。ここでは,桟積み内部へ直接,熱風や蒸気を供給する器具により温湿度を能動的に制御し,温湿度の不均一を抑えるための手法を検討します。

5)シイタケ菌床栽培における生産効率向上技術の開発(一般:H17~19)

 シイタケ菌床栽培に用いる培地組成の変化や栄養源の添加により栽培期間の短縮を図る栽培技術を検討するとともに,収穫後の廃菌床やチップダストを利用し,生産コストを低減する栽培方法を検討します。

6)道産きのこの差別化を目指した品質評価に関する研究(一般:H16~17)

 道産きのこの消費拡大を進めるためには,道産きのこを道内で消費することで得られる鮮度面での優位性や味覚特性等を評価する品質指標を検討する必要があります。道産きのこの優位性を示すことを目的に,マイタケをモデルケースとして市販品の流通実態調査等を行うとともに,鮮度や味覚特性等の品質評価指標値を検討します。

7)機能性を強化したきのこの成分育種(外部:H16~18)

 高血圧等の生活習慣病が増加するなかで,きのこの機能性に対する期待が高まっていますが,機能性成分を高める成分育種はシイタケ以外には行われていません。品種ごとに栽培方法が異なることから,育成した品種に適した栽培技術の開発が必要となります。そこで,血圧降下作用に関わるアンジオテンシン変換酵素阻害活性を持つことが知られているブナシメジについて,阻害活性が高い品種を選抜するとともに,その品種に適した栽培技術を開発します。写真5 マイタケの菌床栽培の様子

8)道産マイタケ新品種の高品質化を目指した栽培技術の開発(一般:H17~19)

 林産試験場が開発した道産マイタケ新品種の法的保護に必要な各種特性の把握と,新品種の特性を活かした,針葉樹おが粉を培地に利用する低コスト栽培方法を検討します。さらに,安全に対する信頼性を高めるための培地材料の選別と栽培条件について検討します(写真5)。


○民間等共同研究

 民間等共同研究は,林産試験場と民間企業が共同で製品開発・技術開発を行う制度です。研究の成果は,共同研究を行った企業が優先的に使用することができます。また,研究成果により得られる特許は,林産試験場(北海道)と企業の双方に帰属します。

I. 木質材料の需要拡大を図る技術開発
 (新規7課題,継続4課題)
 1)道産材を用いた準不燃合板の開発
 2)意匠性を考慮した木製防火シャッターの開発
 3)ユニバーサルデザインに配慮した寒冷地向けバルコニーサッシの開発
 4)防犯性能の高い寒冷地向け木製開口部品の開発
 5)北海道型木製ガードレールの開発
 6)小断面わん曲集成材の生産技術と用途の開発
 7)自然エネルギーの複合利用と木質系融雪資材による消融雪システムの開発
 8)木質系暖房用内装資材および暖房システムの開発
 9)木質複合材による可動式デッキの開発
10)音響特性に優れた木毛セメント板の開発
11)圧密化フローリングを用いた用途別床仕様の検討

III. 木材産業等の体質強化を図る技術開発
 (新規1課題,継続3課題)
 1)小径間伐材と建築解体材を原料としたSPBおよび構造用MDFの検討
 2)カラマツひき板用削り残し予測・最適切断位置判断装置の開発
 3)木質ペレットのコストダウンのための製造工程の改善
 4)畜産廃棄物を用いた食用菌の栽培に関する研究


○受託試験研究

 受託試験研究は,林産試験場が民間企業から研究の依頼を受けて実施し,その成果を民間企業に技術移転する制度です。共同研究との違いは,民間企業に研究の分担がないこと,研究成果により得られる特許は,北海道に帰属することなどがあります。

I. 木質材料の需要拡大を図る技術開発
 (継続1課題)
 1)ランプシェード用単板の開発

III. 木材産業等の体質強化を図る技術開発
 (新規3課題)
 1)内装用針葉樹合板の生産性及び性能向上技術の開発
 2)トドマツおが粉を用いたシイタケ菌床栽培技術の開発
 3)動植物性残渣コンポストを用いたマッシュルーム栽培技術の開発

 
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