本文へ移動
林産試だより2005年7月号 Q&A 先月の技術相談から 難燃処理木材の燃焼試験
トップ>刊行物&データベース>林産試だより>

Q&A 先月の技術相談から

Q:難燃処理木材の性能評価をしたいのですが,試験方法を教えてください


A:防火材料に必要とされる性能が規定された平成10年の改正建築基準法の施行からこれまで,難燃剤で処理した木材(難燃処理木材)の防火材料への認定件数は増加傾向にあります。またそれらの認定は,法改正以前の認定で多かった難燃材料より燃えにくい準不燃材料や不燃材料の割合が多くなっています。

 最近,当場に寄せられる技術相談でも,難燃処理木材に関するものが多数あります。また,防火材料の認定を前提とした試作品の試験の依頼も多く受けています。
 そこで今回は,当場で難燃処理木材等の性能評価に用いている燃焼発熱性試験について説明したいと思います。


 燃焼発熱性試験は,防火材料の認定の際に行われる性能評価試験にも採用されています。試験には,コーンカロリー計装置を用います。この装置は,材料が燃焼した時に生じる発熱量を測定します。発熱量は燃焼の大きさを表すことから,測定値によって材料の燃焼の程度を把握できます。

 装置の概要を図1に示します。試験体は,1辺の大きさを99±1mm,厚さを50mm以下とします。試験では,電気ヒーターで試験体を一定強度で加熱するとともに点火プラグで口火を与えます。そして,試験体周囲の空気をフードから一定流量で排気ダクトに流すとともに,その空気の酸素濃度を連続的に測定し,燃焼で消費した酸素量を求めます。燃焼による酸素消費量と生じた発熱量は一定の関係にあり,これを利用して単位時間の発熱量である発熱速度と試験終了時までの総発熱量を計算し,試験体の燃焼しやすさを評価します。

 試験は,通常1条件につき3回繰り返します。また,材料の燃焼は含まれる水分の影響を受けるため,試験体は試験前に23℃,50%RHの恒温恒湿器内で調湿します。このほか,難燃処理木材の試験では,測定値のばらつきを抑えるため,試験体の密度,難燃剤の処理量を一定の範囲にそろえる必要があります。

 試験結果の一例として,厚さ15mmのスギ材の無処理材と難燃処理材の試験結果を図2に示します。スギ材の発熱速度,総発熱量は,難燃処理により大きく低下し,燃えにくくなっていることが分かります。

図1 コーンカロリー計装置の概要 図2 スギ材(厚さmm)の発熱速度と総発熱量
(性能部 防火性能科 河原崎 政行)
 
前のページへ 次のページへ

トップ>刊行物&データベース>林産試だより>