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林産試だより2005年8月号 行政の窓 「「平成16年度 北海道森林づくり白書」ができました
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行政の窓 「「平成16年度 北海道森林づくり白書」ができました
 北海道では,森林の現状や課題,さらには課題の解決に向けた取組などについて,写真や図表などを使ってわかりやすくご紹介する「平成16年度 北海道森林づくり白書」を作成しました。

第1部 森林づくりの動向

 特集 森林づくりの新たな取組

・平成19年の全国植樹祭の開催に向けた協働の森林づくり,台風災害からの復旧や防災に向けた実践的な取組などの「災害に強い森林づくり」,適切な森林施業が行われていない「未整備森林」の解消,地域の木材を地域で有効に活用する「地材地消」などの取組が全道各地で展開。
左:全国植樹祭に向けた苗木づくり,小学生によるどんぐりの種蒔き(福島町),中:災害に強い森林づくり,現地検討会の開催(平取町),右:地材地消の取組,地域材を利用した製品展示会の開催(釧路市)

 第1章 世界と我が国の森林の動向

・各国に温室効果ガス排出量の削減を義務づけた「京都議定書」が,ロシアの批准により平成17年2月に発効。京都議定書の発効を受け,我が国では地球温暖化防止のための「京都議定書目標達成計画」の策定を検討(※4月28日閣議決定済)。
・森林法の改正を受け,国では森林整備事業計画,治山事業7カ年計画を統合し,新たに「森林整備保全事業計画」を策定。計画の重点を事業量から成果目標に変更するとともに,森林を「緑の社会資本」として位置づけ,森林の整備・保全を推進。
・持続可能な森林経営を目指して,FSC(森林管理協議会)森林認証のほか,国内独自の制度であるSGEC(『緑の循環』認証会議」)森林認証取得の動きが拡大。

 第2章 北海道の森林づくりの動向

  I 地域の特性に応じた森林づくり

  1 森林の整備の推進及び保全の確保
・平成16年6月に,森林の多面的機能の発揮状況を客観的に評価する「森林機能の評価基準」を作成。地域森林計画の樹立に活用するとともにホームページ等による普及を実施。
・国有林と民有林が一体となった森林整備等を推進するため,平成15年4月の林野庁通達に基づき,森林管理署と市町村における「森林整備協定」の締結を促進。平成16年度は,阿寒町と根釧西部森林管理署など5地区で協定が締結。
・森林施業の集約化を図るため森林組合等と森林所有者が締結した長期の施業受委託の面積は,平成16年度82,300ha。森林組合等では「森林整備地域活動支援交付金制度」を活用し,森林の現況調査や施業実施区域の明確化作業などの「地域活動」を実施。
・自然環境が優れた地域等において,魚類などの生息環境を守るための治山ダムへの魚道の設置,流域環境の保全のための渓畔林の造成・整備などの取組を実施。

  2 道有林野の管理運営
・道有林基本計画における「公益性の全面的重視」の考え方に基づき,道有林を所管する全道13の森づくりセンターで森林の整備及び管理を実施するとともに,その実施内容等についての評価を行い,道のホームページで公表。
・野生生物等に配慮しながら,単層の人工林を多様な樹種で構成される「連続的な複層林」へ誘導するほか,道有林野をフィールドとした植樹や林業体験教室などの森林の利活用を推進。また,森林や森林整備の事業そのものを「自然博物館」として公開する「道有林のフォレストミュージアム化」を推進。

左:交付金制度を活用した取組,造林作業路の刈払い(黒松内町),中:自然環境を守る取組,治山ダムへの魚道の設置(斜里町),右:道有林野の利活用,小学校での森林学習の実施(美深町)
  II 林業及び木材産業等の健全な発展

  1 林業の健全な発展
・地域の担い手として重要な役割を果たす森林組合は,組合員の減少などによる経営基盤の脆弱化,森林所有者の森林整備に対する意欲の減退などの課題を抱えている状況。このため,道では,安定的かつ効率的な運営を行うことが可能な森林組合を「中核森林組合」として認定し,経営者や職員の養成研修に要する経費への支援などを通じ,その育成を推進(16年度末で37組合)。
・森林組合の経営基盤の強化を図る広域合併の取組として,平成16年度は,「穂別苫小牧」など3組合が新たな合併組合として設立。平成16年度末現在で全道の合併組合は延べ20組合。
・林業就業者の育成と確保を図るため,森林組合等の林業事業体における長期研修(緑の雇用担い手育成対策事業)を実施。全道25の事業体で53名がこの研修に参加。
・緊急地域雇用創出特別交付金を活用して,地域の課題に応じて複数の市町村の連携による「緑環境創出広域プロジェクト」が展開。平成16年度は,51市町村で耕地防風林等の整備など11のプロジェクトが実施。

  2 木材産業等の健全な発展
・公共建築物等における木材の利用拡大の取組として,道内初の道立の中高一貫校となる「中等教育学校」を木造で建設中。このほか,斜里高校など道立高校3校で大断面集成材を使用した柔剣道場を建設。
・平成16年度から小・中学校を対象として道産材を使用した机天板の導入を支援し,学校教育での木材・木製品の利用を促進。子どもの頃から木材を身近に使うことを通じ,森林と環境を考える豊かな心を育む「木育」を道民の方々と協働で検討,政策提言を実施。
・木材の新たな利用拡大の取組として,林地残材や未利用の間伐材などの「木質バイオマス資源」を新たなエネルギー源として利用するため,シンポジウムの開催などの普及啓発を行うとともに,森林組合等での基礎調査の実施を支援。
・平成15年度に開発した間伐材使用のコピー用紙の利用拡大,間伐材を使用した製品に添付する「道産間伐材マーク」の制定,普及啓発の取組を促進。

  3 山村地域における就業機会の確保等
・平成15年度に創設した「みどりの雇用創出支援事業」などを通じて,豊富町などで森林資源を利用した製品開発や林業体験観光などの新たな森林関連産業の創出・育成に向けた取組が展開(みどりの雇用創出支援事業の16年度実績:17団体で79名を雇用)。

左:林業就業者の育成と確保,基幹林業労働者養成研修(当別町),中:学校教育での木材の利用促進,道産材を利用した机・椅子の導入(網走市),右:新たな森林関連産業の創出,みどりの雇用抄出事業によるおが粉製造機の導入(豊富町)
  III 道民との協働による森林づくり

  1 道民の理解の促進
・平成16年度から全道17の森づくりセンターで森林づくり活動に関する情報提供や技術相談を行う「森の窓口」を開設するとともに,道有林の優れた景観,みどころを紹介する「みどころマップ」を道有林を所管する13の森づくりセンターで作成。
・平成17年2月には道と北海道森林管理局との共催により「道民森づくりネットワークの集い」を札幌市で開催。道民,森林ボランティア団体など延べ千名が参加。

  2 青少年の学習の機会の確保
・全道18の「森林・林業教育モデル校」では,木材工場の見学や森林生態系の学習といった活動を展開。また,各森づくりセンターで小・中学校の教職員などを対象とした指導者養成研修(グリーンスクール)を実施。

  3 道民の自発的な活動の促進
・道民の自発的な森林づくり活動を促進するため,地域の森林づくり活動のリーダーとして活躍できる人材「森林サポーター」の養成研修を実施。
・平成16年度までに9支庁・10箇所で「北の魚つきの森」を認定し,河川周辺の自主的な森林整備の取組を促進。

  4 道民の意見の把握等
・道民2,500人を対象とした森林に対する期待,森林整備のあり方などについての意識調査,渡島西部森づくりセンターの「森づくりツアー」などを通じ,道民の意見を把握。

左:森づくりに関する意見交換,道民森づくりネットワークの集い(札幌市),中:森林・林業モデル校の活動,製材工場の見学(稚内市),右:グリーンスクールの実施,教職員を対象とした樹木研修(旭川市)
  IV 試験研究と普及指導

  1 森林づくりに関する技術の向上
・道立林業試験場・林産試験場では,中長期的な取組の方向に基づき,平成16年度はそれぞれ50課題に上る独自の研究課題に取り組むとともに,民間企業等との共同研究などを実施。
・また,「地域に根ざした研究・普及サイクルのシステム」として,道南圏及びオホーツク圏において,フォーラムの開催,企業訪問などを行い,企業の技術課題を試験研究課題に反映するための検討を実施。
・森づくりセンターに配置する林業改良指導員は,農業分野での木材の利用拡大やコスト低減のための効果的な施業方法の検討など,地域で様々な普及指導活動を推進。

左:木材利用に関する技術開発,トドマツ平角材の高温乾燥試験(旭川市・林産試験場),中:実用化された研究課題,グイマツ雑種F1の生産技術(美唄市・林業試験場),右:森林ぐくり技術の普及指導,人工林の施業方法を指導(奈井江町)

第2部 平成16年度に講じた施策

  第1章 施策推進の基本方向と重点施策

・平成16年度は,平成15年度に発生した台風10号による復旧対策のほか,「産消協働による道産材の利用促進」,「道民との協働による森林づくり」,「地域の特性に応じた森林づくり」,「災害に強い森林づくり」を重点施策として位置づけ,「北海道森林づくり基本計画」に基づく各種施策を展開。

  第2章 森林づくりに関して講じた施策(主なもの)

・森林整備の推進及び保全の確保
  エゾシカによる森林被害防止対策,北海道らしい里山づくりに向けた活動への支援
・林業の健全な発展
  未整備森林の解消に取り組む中核森林組合への支援
・木材産業等の健全な発展
  道産材の「地材地消」を促進するため,生産者と消費者が連携した取組などへの支援
・道民の理解の促進
  全国植樹祭開催に向けた準備,洞爺丸台風による森林被害復興の軌跡の普及啓発
・道民意見の把握等
  地域住民や森林所有者等の参画による「災害に強い森林づくり」のための取組への支援

  第3章 地域における森林づくりの取組

・道南圏「協働による森づくり支援事業」,道央圏「木質資源利活用推進事業」,釧路・根室圏「チシマザクラの里づくり推進事業」など,14支庁,6圏域で支庁独自施策(地域政策推進事業)により,地域の特性に応じた森林づくりを促進。

(水産林務部 木材振興課 林産振興グループ)
 
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