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林産試だより2005年9月号 Q&A 先月の技術相談から北海道で栽培されているきのこについて
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Q&A 先月の技術相談から

Q:果物狩りを中心に運営している体験型観光農園施設の新たなメニューとして,きのこ狩りやきのこ販売を検討しています。北海道でよく食べられているきのこおよびきのこ栽培を始めるにあたって必要な施設について教えてください。


A:よく食べられているきのこについてはきのこの種類別の生産量を基に,また,きのこ栽培に必要な施設についてはきのこの製造方法を基に説明します。

1)きのこの種類別生産量

 道内で栽培されているきのこの生産量を全国生産量とともにに示します。道内生産量はエノキタケ,シイタケ,ブナシメジ,全国生産量はエノキタケ,ブナシメジ,シイタケの順となりますが,シイタケは2万5千トンほど輸入(平成15年度)されているので,流通量はブナシメジを上回っていると考えられます。生産額では他のきのこに比べて単価の比較的高いシイタケが全国,道内ともトップとなり,次いでブナシメジ,エノキタケの順となります。ここ数年間では,きのこの種類によって生産量に多少の増傾向,減傾向があるものの全体として大きな変化はありません。ただし,10年ほど前から栽培の始められたエリンギは2年で生産量が2倍以上になるなど最近急速に伸びており,平成16年度の生産量はマイタケに並んでいます。また,タモギタケは生産量は少ないものの,全生産量の8割近くを北海道が占めているという特色を持つきのこです。

表 きのこの生産量


 総務省の家計調査によると,1980年から2000年の20年間で,生鮮野菜の世帯当たり購入量が21%減少しているなかで,きのこ類の購入量は86%増加しています。特に,シイタケ以外のきのこの購入量は2.8倍と顕著に増加しています。さらに,農水省が行っている食料品消費モニターでも,きのこを食べる回数が2~3年前に比べ増えていると回答した人が47%と最も多くなっています。また,同調査によるときのこに期待されている効用として,「低カロリー」が最も多く,次いで「食物繊維が豊富」「制ガン作用がある」の順となっており,健康面に対する期待が大きいことがわかります。


2)きのこの人工栽培方法

 きのこの栽培方法は,原木栽培と菌床栽培とに大別できます。原木栽培はきのこの種菌を原木(樹皮がついている丸太)に植え付け(接種と言います),きのこを発生させる栽培方法で,菌床栽培はおが粉に米ヌカやフスマ(小麦の皮)等の栄養材を加えた培地をビンや袋に詰めてきのこを発生させる栽培方法です。

 きのこの栽培では,他の微生物(きのこにとっては雑菌)の混入を防ぎながら種菌を原木中もしくは培地中に生長・拡大させる(培養と言います)必要があります。このため,原木栽培では樹木を伐採後,雑菌が侵入しないよう早期に種菌を接種します。一方,菌床栽培では,培地材料やそれらを混合する過程で雑菌が混入しているので,接種前に培地に熱を加えて殺菌処理します。また,培養の過程でも雑菌が混入しないように管理する必要があり,空調設備を持つ施設で栽培されます。なお,空調施設を用いず,自然状態の温湿度の中で菌床栽培を行う場合もあります。

 観光農園として周年きのこを発生させる必要がある場合,少なくとも暖房設備を持つビニールハウスが必要です。また,菌床栽培で培地への種菌接種の工程から始めるためには加熱殺菌装置および雑菌を侵入させない接種室が必要です。なお,それらを省くために,菌糸を培養させた菌床を購入し,発生だけを行ってきのこ狩りに供することも可能です。
 シイタケ,ナメコ,ヒラタケなどで原木栽培もしくは自然状態での菌床栽培が可能です。

 
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