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林産試だより2005年10月号 職場紹介 第19回 利用部 再生利用科
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職場紹介  第19回 利用部 再生利用科
 再生利用科は,木質系廃棄物のリサイクル方法などを検討するため,平成12年につくられた科です。廃棄物の3R(Reduce:削減,Reuse:再利用,Recycle:再生利用)の理念と環境保全に基づいた調査,研究を行っています。

研究内容

(1) リユースとマテリアルリサイクル
 平成14年に「建設リサイクル法」が施行され,特定建設資材に指定された木材はリサイクルすることが前提になっています。地球環境のためには温室効果ガスである二酸化炭素を放出せずに,木材として炭素を固定している期間を長くするためにもカスケード(段階的)型の利用が理想となります。なお,リユースとはそのままを再利用すること,リサイクルは形を変えて利用する再生利用で,物質的な再生利用マテリアルリサイクルと,熱やエネルギーに変換して利用するサーマルリサイクルがあります。

 これまで再生利用科では,解体材リユースのための釘抜き装置や,マテリアルリサイクルとして粉砕物を用いた木質・セメント成形体海藻礁の開発などを行ってきました。
 ただし,実際の解体現場ではコストが優先されるため,重機による解体が主で,リユースが進まない状況にあります。

 マテリアルリサイクルについては,技術部成形科と協力するとともに,平成17年度から北方建築総合研究所主管重点研究の北海道エコマテリアル建材“do! Ecomat”に関する研究において,他の素材と組み合わせた建材開発にも取り組んでいます。



木造住宅の解体
(2) 住宅解体材の分別に関する研究
 建設リサイクル法では,CCA処理木材を除きリサイクルすることが前提ですが,住宅等で使用されている木材には,CCA処理以外にも様々な薬剤処理が施されたものも含まれているため,用途によっては薬剤処理された木材を取り除く必要があります。そこで,どのような処理木材がどのような使い方をされているかを調査するとともに,その分別手法を提案しています。
 特に,建設リサイクル法においてもリサイクルせず適正処理するように指定されているCCA処理木材については,「家屋解体工事におけるCCA処理木材分別の手引き」を作成しました。

CCA処理木材分別の手引き

(3) エネルギー利用(サーマルリサイクル)に関する研究
 解体材のマテリアル(材料)としての用途は,山から出てくる間伐材等とほとんど同じです。このため解体材は,間伐材と競合することもあり,場合によっては間伐が進まなくなることも考えられます。
 一方で,温室効果ガスである二酸化炭素削減に向け化石燃料の代替としてバイオマスが注目されており,その代表的なものが木材です。これらのことから,解体材の一部はマテリアルではなく,サーマル(熱)としてのリサイクルが必要と考えます。
 そこで,木質のエネルギー利用方法について調査するとともに,平成17年度からはバイオエタノールの原料となる糖を得るため,薬剤処理された木材を用いた木材糖化の検討を開始しました。

(4) その他
 再生利用科では,これらに加え,家畜敷料に関する研究も行っています。古くから排せつ物の処理のため,木材工業での残材であるバーク(樹皮)や鋸屑が敷料と堆肥化の水分調整材として用いられてきました。家畜排せつ物法の施行により需要が増加し,間伐材等を専用機で加工した機械製造おが粉やカールマットなども利用されています。しかし,木質資材の使用に対して否定的な農家もいるため,再生利用科を中心に,敷料の性能を明らかにする研究を行い,需要拡大を図っています。

 
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