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林産試だより2005年11月号 特集『林産試験場と行政との連携による業界振興』 内装用針葉樹合板の開発
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 ●特集『林産試験場と行政との連携による業界振興』

内装用針葉樹合板の開発

技術部 合板科 古田 直之


 はじめに

 熱帯材資源の枯渇などから,合板用原木は南洋材から針葉樹材への転換が進み,針葉樹合板の国内生産量はここ数年で大幅に増加しています。これらの針葉樹合板の用途は住宅の下地材などの構造用がほとんどですが,針葉樹合板の普及に伴い,これを内装に使用したいという要望が増えてきています。一方,北海道内の人工林からは今後,カラマツ,トドマツの中大径材の生産量の増加が見込まれており,これらの原木の有効利用という視点からも内装用合板の開発は重要です。このような背景から,林産試験場ではこれまで内装用針葉樹合板の製造について取り組んできました。


 事業での取り組み

 平成16~17年度の木材産業新用途開発促進事業では,三井物産林業(株),日本システム機器(株)共同企業体と林産試験場によるプロジェクトチームを設置し,内装用針葉樹合板の実用化に向けた取り組みを行いました。

(1)製造した内装用合板の概要

 従来の広葉樹の内装用合板は,南洋材合板等の台板の表面に薄い化粧単板を張ったものが一般的でしたが,針葉樹では節や欠点が多く存在するために,薄い化粧単板を製造することは非常に困難です。そこで,原材料には大径の道産トドマツ原木を使用し,1.5mm程度の比較的厚いロータリー単板を切削して,これらを積層して合板を製造しました(図1)。また,内装材としてふさわしい表面性状を得るために,表板に使用する単板の品質規準を作成し,これを満たすものを使用することとしました。表板に使用できないものを心板や裏板に使用することで単板を無駄なく利用することができます。

図1 内装用合板の構成

(2)市場性調査

 全国各地で開催された展示会等で,内装用針葉樹合板を出展して市場性調査を行いました。その中では主に次のような意見をいただきました。

1)内装仕上げはビニールクロスがほとんどで,代わるものが少ない。2)シナ合板では木目があまり出ないが,トドマツは木目がほどよく出て良い。3)クロス職人への下請け費用を削減でき,大工仕事で内装仕上げができる。4)今まで有りそうで無かった内装材で,従来の羽目板よりも割安で使用しやすい。
 一方で不燃,準不燃のものが欲しい等の要望もあり,今後の検討課題も見つかりました。

(3)マーケット戦略の検討

 共同企業体では内装用針葉樹合板の販路を拡大するため,パンフレットを作成しました(図2)。また,現在ホームページの作成について検討しています。

図2 作成したパンフレット


 商品化と施工事例

 共同企業体では現在,トドマツの内装用合板の販売をはじめています。主に製造している内装用合板は,厚さは5.4mmと7.5mmの2種類,サイズは910×1820mmと910×2420mmの2種類となっています。施工例を写真1に示します。トドマツの内装用合板は,柱や梁などの構造材を現しにして使用する住宅に非常に合う材料であると好評を得ています。

写真1 トドマツ内装用合板の施工例

 
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