本文へ移動
林産試だより2005年12月号 知的財産権等の紹介「桟積作業における桟木配置装置」
トップ>刊行物&データベース>林産試だより>

●知的財産権等の紹介

桟積作業における桟木配置装置

性能部 防火性能科 由田 茂一


 桟積みの現状

 木材乾燥のために製材を積み上げる桟積(さんづみ)作業では,上下の製材の間に製材と直交させて細い棒(桟木:さんぎ)を置いてすき間を設けます(写真1)。こうすることで風通しが良くなり,乾燥効率が良くなります。一般的には,このように積み上げた状態で,針葉樹は人工乾燥,広葉樹は天然乾燥されます。

この桟積みの際の桟木を置く作業は,桟木パレット(桟木を枠で連結し,はしご状にしたもの)を使って自動化している工場も一部にはありますが,ほとんどは人手で行っています。長さがそろった製材を並べるオートスタッカを導入している工場でも,桟積作業の完全な自動化ができていないのが実態です。桟木の自動配置が可能になると桟積みの完全な自動化が可能になり,省力化によるコストダウンにつながります。

 ここでは,「乱尺材の自動桟積装置の研究」の中で考案した,桟木を自動的に配置する装置(特許第3680141号)を紹介します。

写真1 桟木の様子


 装置の概略

 この装置は,図1のように,桟木の向きをそろえる整理部,その格納部,およびその下部から1本ずつ押し出す押出し部から成ります。整理部ではホッパ下部の桟木の通路形状を工夫すること,および桟木の断面の方向転換と詰まり防止を兼ねた羽根車を設けることにより桟木の方向をそろえます。これにより,桟木は格納部に同じ向きで積み重なります。この状態で,押出し部が前方(図中左側)へ移動すると,桟木積載部分に積載されて一番下の桟木のみが移動します。この際,桟木積載部分の上に設けた軸可動のストッパは桟木上面を滑りますが,桟木が通り過ぎた時点で自重により下がります。このため,桟木積載部分が戻り始めると桟木は桟木積載部分から徐々に押し出されることになり,まず一方の端が接地し,その後桟木全体が接地することになります。以上を繰り返すことで桟木を1本ずつ配置することができます。

図1 装置の概略


 試作による動作確認

 この装置を乱尺材の自動桟積装置に取り付け,動作を確認しました。桟木の大きさは,断面を20×40mm,長さを装置の大きさの都合から400mmとしました。写真2〜5は,それぞれ製材が一段分並んだ状態,桟木が移動しているところ,桟木の一端が接地したところ,桟木の配置が完了したところです。

写真2 桟木配置前

写真3 桟木の押出し

写真4 桟木の一端が接地

写真5 桟木の配置終了


 この装置の利点

 この装置の利点は,1)桟木が製材の上を滑るわけではないので,並べた製材を乱すことなく配置できること,2)桟木が多少曲がっていても,桟木格納部の幅や凹型の桟木積載部分を余裕のある寸法にすることで対応が可能になること,3)機構が簡単で高価な部品を必要としないこと,4)桟木積載部分やシリンダをチェーンコンベア状にすることで,さらにコンパクトにできることです。

 このような利点から,針葉樹を扱う工場に導入されているオートスタッカの回りに十分なスペースがある場合には本装置の設置が可能です。そこで,今後は既存設備への導入が進むよう普及を図っていきたいと考えています。

 
前のページへ 次のページへ

トップ>刊行物&データベース>林産試だより>