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林産試だより2005年12月号 Q&A 先月の技術相談から 携帯電話用アクセサリーの加工
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Q&A 先月の技術相談から

Q:携帯電話ストラップに使う木製のアクセサリーを作りたいと考えています。どのような加工機が良いか教えてください。


A:携帯電話用アクセサリーの大きさは人の指サイズと考えてよいでしょう。その程度の大きさの加工物としては家具の引き出しを開ける時につまむ引手などがあります。引手の加工方法には主に専用の旋盤(せんばん)により長い丸棒から連続的に加工する方法と,木工ろくろを用いて一つずつ加工する方法があります。

 専用の旋盤による加工法では,型とよばれる板を接触子でなぞり,刃物をなぞった通りに動かして回転中の材料に押し当て,型と同一形状の加工(ならい加工)を行います。専用の旋盤は材料を自動的に供給する機能も備えていますので,同じ形状を大量に生産する場合に都合の良い加工方法です。欠点としては,異なる形状を加工するときには別の型を製作しなければならないので多品種生産には向かないことが挙げられます。

 一方,木工ろくろによる方法は,材料を回転させながら,手で持った刃物により所定の形状に削りあげる加工法です。これには熟練した技能を持つろくろ職人(木地師)が必要な上,多大な労力と時間を要するので,一品料理的な多品種少量生産に適しています(ちなみに,労働基準法では木工ろくろと木工旋盤を区別せずいずれも木工旋盤と呼びます。ここでは上記のように区別します)。

 質問のアクセサリーの場合,どの程度の生産量を想定しているか不明ですが,注文数に応じて生産方法を選択することになると思われます。例えば,発売当初の少量生産では木工ろくろを用い,多量生産の場面では専用旋盤を用いるような使い分けを考えることも必要になると思われます。

 上記以外の加工方法として,林産試験場で試作した「パソコンを用いた簡易型木工用NC旋盤」があります(写真1)。この装置の特徴は,高価な制御装置を使わずに市販のパソコンを用いることにより安価な装置となっていることです。また刃物には市販のチップソーを採用し,その駆動には市販のハンドグラインダーを採用しています。これにより,チップソーに高速回転(12,000rpm)を与え切削抵抗を減らせることができるようになったことなどから,専用の旋盤では困難だったボトルネック状の加工が可能となりました(写真2)。また,材料は角材(3cm×3cmまで)のままで良いので,前工程で丸棒に加工する必要がありません。形状データをコンピュータ内に蓄えておけば何度も同じ形状を繰り返し加工することができるので多量生産に対応できます。形状データはCADソフトを用いて直線と円弧の組み合わせで定義しているため変更が容易であり,多品種生産にも対応できると思いますので,興味を持たれた方はお問い合わせください。

写真1 パソコンを用いた簡易型木工用NC旋盤

写真2 加工例(ランプ)

(技術部 機械科 橋本 裕之)
 
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