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林産試だより2006年1月号 特集「ペレット」 北海道型ペレット燃焼機器の開発指針について

●特集『ペレット』

北海道型ペレット燃焼機器の開発指針について

北海道水産林務部 木材振興課 需要推進グループ

 はじめに

図 森林資源の循環利用
図 森林資源の循環利用

 2005年2月に温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書が発効となり,地球温暖化防止対策を始め資源の有効利用など,環境や資源の循環利用に対する取組がますます重要になってきています。
 北海道においても,平成15年度に策定した「北海道森林づくり基本計画」で,森林整備と併せて森林資源の利活用を積極的に進めることとしており,10年後の指標として平成24年度の木質バイオマスエネルギー利用量について平成13年度の2倍の40万m3を見込んでいます。
 木質バイオマスは間伐材や林地残材,工場残材等を含んだ幅広い資源であり,再生産が可能な,循環型社会を目指す上で非常に重要な資源として,その効果が期待されています。

 道内での取組

表 ペレットストーブ導入支援事業の概要(平成17年度)

 道内では,平成16年1月から網走支庁管内の滝上町で木質ペレットの商業生産を開始したのに続いて,17年8月から大滝村で,次いで9月から厚沢部町でペレットの生産が開始されました。
 また,11月には足寄町でも製造を開始し,新築される足寄町役場庁舎にも木質ペレットボイラーの導入が決まっているなど,これまで全道4つの地域で木質ペレット生産・供給体制が整ってきています。
 しかし,木質ペレットの利用を促進するためには,供給体制の整備と同時に,生産量に見合う安定的な需要を確保していくことが特に重要になります。
 このため,道では,今年度,十勝支庁庁舎1階ロビーにペレットストーブ1台を設置し,実証展示による普及啓発を行うこととしています。
 また,足寄町で整備される木質ペレット生産施設を中心に半径60kmの範囲に役場が所在する周辺市町村をモデル地区に指定し,市町村と連携しながら,一般家庭や商業施設等のペレットストーブ購入費用の一部を支援しています。

 開発指針の策定の経過

 このように,木質バイオマスの利用が道内各地で進みつつある状況ですが,取組はまだ始まったばかりであり,林地残材の集荷・運搬に手間がかかりコストがかさむなど経済性の問題や,流通システムの構築,既存の燃焼機器が比較的高価であるなど,今後解決すべき課題も多いのが現状です。
 こうしたことから,道内における木質バイオマスの一層の利用促進のためには,安価で,道民のニーズに対応し,北海道の地域特性に適した燃焼機器が開発され,それを広く普及していくことが不可欠と考え,道では平成16年度から2年間にわたり学識経験者,暖房機器メーカー,ハウスメーカー等の多様な分野の委員で構成する,「北海道木質バイオマス資源活用促進協議会」を開催し,広く道民に愛される北海道型ペレット燃焼機器の開発をめざし,検討を行いました。

 開発指針の概要

 協議会においては,北海道の厳しい冬を少しでも快適に過ごせるような北海道らしいライフスタイルの発信という視点とあわせ,一般の住宅やオフィス,別荘など,あるいは農業などの産業分野など多様な利用シーンを想定しながら,北海道型ペレット燃焼機器の満たすべき要件の検討を進め,別表のとおりとりまとめました。

 ペレットストーブについては,北海道は本州に比べ冬が長く厳しいため,安定的に燃焼し,快適な室温を維持できるなど十分な暖房能力に加え,耐久性,点火・消火等の操作などの取り扱いや,木灰処理の容易さなどが求められるほか,より快適な暮らしを求め,インテリアとしても魅力があり,ガラス面が大きく,炎が良く見えるよう工夫するなど,ストーブのデザイン性についても重視し,満たすべき要件の一つとして含めています。
 また,自動タイプのストーブについては,以上の要件に加えて,燃焼継続時間が8時間以上のものとしています。

 ペレットボイラー(簡易ボイラー)については,ペレットストーブの要件のうち,十分な暖房能力を十分な加温能力,また,デザイン性の項目を省スペース型で小型化を図るという要件に置き換えています。

 また,要件の最後に開発方向の例として,自動タイプであれば薄型壁おきタイプの一般家庭向けなど,手動タイプでは軽量で取り扱いが容易な貯炭式ストーブなど,ボイラーについては暖房・給湯の小型一般家庭用ボイラーなど,各燃焼機器のタイプごとに用途別の開発例をそれぞれ示しました。

※参考資料 北海道型ペレットストーブのイメージ
     (作成:北海道立林産試験場 企画指導部デザイン科長 小林 裕昇)

北海道型ペレットストーブのイメージ

 今後の取組

 北海道としてはこの指針を今後積極的にPRしながら,各燃焼機器メーカーによりこの指針に沿った様々なタイプの北海道型ペレット燃焼機器の開発,製品化が迅速に進むことを期待しています。
 木質バイオマスのエネルギー利用は,地域で発生する未利用木質資源など地域の資源を,その地域で有効に活用できる上,北海道型ペレット燃焼機器を道内で製造することによって雇用の創出はもとより,地場産業の振興,地域経済の活性化にも結びついていくものと考えられます。
 今後も,道内各地の取組を後押しできるよう,北海道型ペレット燃焼機器の全道への普及,定着に向けた取組を着実に進めたいと考えています。

別表「北海道型ペレット燃焼機器の開発方針」

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