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林産試だより2006年2月号 特集「景観に配慮した木製道路施設」 シーニックバイウェイとは

●特集『景観に配慮した木製道路施設』

シーニックバイウェイとは

企画指導部 デザイン科 小林 裕昇

 皆さんはシーニックバイウェイという言葉を聞いたことがありますか。

 シーニックバイウェイ(Scenicbyway)とは,英語で光景や風景を意味する「scene」の形容詞である「Scenic(景色の良い)」と,「Byway(わき道)」を組み合わせた言葉です。

 「シーニックバイウェイ北海道制度」は北海道開発局が主体となり,「美しい景観づくり」,「活力ある地域づくり」,「魅力ある観光空間づくり」の3本を柱として,住民と行政が連携して地域の景観資源などの保全や改善に取り組んでおり,「交流人口の拡大」と「地域産業の振興」および「地域における雇用の拡大」を目標としています。

 平成15~16年度の2か年間は試行期間とし,二つのモデルルートが指定されました。この2ルートでは,認定された活動団体が地域と一体となり,様々な取り組みを通して問題点の洗い出しや制度の策定に向けた検討が進められました。

 そして,平成17年度より正式に「シーニックバイウェイ北海道制度」が発足したのです。

 平成18年1月現在,指定されているルートは以下の3ルートです。

 【支笏洞爺ニセコルート】

 新千歳空港から支笏湖,洞爺湖を通りニセコへと向かうルートです(図1)。

 このルートがカバーする地域は範囲が広く,ルート自体の距離も長いこと,また観光地としてもそれぞれ特徴があることから,千歳・恵庭および支笏湖を中心とした「ウェルカム北海道エリア」,洞爺湖周辺の「洞爺湖エリア」,そして羊蹄山周辺と日本海側の岩内町までを含む「ニセコ羊蹄エリア」の三つに分けて運営されています。


図1 支笏洞爺ニセコルート
「シーニックバイウェイ北海道」ホームページより転載

 【大雪・富良野ルート】

 旭川市から美瑛町,富良野市を経由して占冠村までの国道237号を軸としたルートです(図2)。

 北海道内の観光地として1位2位を争うほど人気の高い美瑛と富良野を含むルートであり,市街地を離れると田園丘陵地帯に迷子になってしまうほどの数の「わき道」が存在するルートでもあります。


図2 大雪・富良野ルート
「シーニックバイウェイ北海道」ホームページより転載

【東オホーツクルート】

 女満別空港を起点として,網走市から斜里町ウトロまでの「知床・流氷ステージ」,美幌町から東藻琴村を通り斜里町までの「知床・田園ステージ」,エリアを包むように囲む六つの峠に通じる七つの道路を総称した「知床・山岳ステージ」の三つで構成されています(図3)。


図3 東オホーツクルート
「シーニックバイウェイ北海道」ホームページより転載

 これらシーニックバイウェイの活動の中心は,認定を受けた地域のNPO(民間の非営利団体)が行っており,その内容は沿道の植栽や清掃,地元イベントや体験ツアーへの参加,あるいは自らこれらを企画し開催するなど,多岐にわたっています。

 しかし,これらNPOはシーニックバイウェイ制度のために存在しているわけではなく,それ以前から独自に活動を続けてきた経緯があります。NPOは非営利団体であるため,目標として掲げられている「地域産業の振興」や「雇用の拡大」と直接結びつかない難しさがあり,この制度がこれらの目標を達成していくためには,地域としてアピールできる資源や産業を明らかにし,それらを基に新規製品開発や販売を進められる企業との連携が必要不可欠であると考えられます。

 林産試験場では「美しい景観づくり」という部分において,木材を用いた道路資材に新たな需要があると考え,研究を進めています。このことは地域材の活用につながり,「地域産業の振興」に貢献するものと考えています。

 今まで道路資材に木材が用いられなかったのは,必要とされる強度・価格・耐用年数・メンテナンスなどの部分において,金属製品などより見劣りしていたからです。しかし,これらの問題も木材と金属の複合化や加工技術の向上により,少しずつですが解決されて各種製品化が進んでおり,道路標識や案内板,ガードレールなどに木材が積極的に使われるのではないかと期待が高まっています。

 シーニックバイウェイ制度は始まったばかりです。商業誌などで紹介はされていますが,まだまだ知名度は高くありません。北海道に住む我々一人一人が北海道の財産とは何かを考えるきっかけとなれるよう,応援していきたいと思います。

*図1~3は,「シーニックバイウェイ北海道」ホームページhttp://www.scenicbyway.jp/より許可を得て転載させていただいたものです((C)有限責任中間法人 シーニックバイウェイ支援センター)。

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