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林産試だより2006年2月号 Q&A 先月の技術相談から 木材の強度の基準値

Q&A 先月の技術相談から

木材の強度の基準値

Q:建築材料として用いられる主要な木材の強度や曲げヤング係数,せん断弾性係数の値を教えてください。

A:木材の基準強度は平成12年建設省告示第1452号(圧縮,引張,曲げ,せん断),および平成13年国交省告示第1024号(めりこみ)に示されています。一方,曲げヤング係数,せん断弾性係数については,建築基準法令では具体的にふれられていません。そこで,一般的には,日本建築学会の「木質構造設計規準・同解説-許容応力度・許容耐力設計法-」に記載されている基準弾性係数の数値を用いられています。

 建築材料として用いられる主な樹種の基準強度と基準弾性係数をに示します。ただし,ここでは目視等級区分製材の甲種構造材についてのみ取り上げています。その他は,上記告示で確認してください。

表 針葉樹の構造用製材の強度性能

 表では,基準材料強度や基準弾性係数と表現されていますが,これらは構造用製材が持つべき品質の基準を示している数値ではなく,ある程度の製材が統計的にどの程度の強度を持っているか,言い換えるとどの程度の強度を見込んでよいかを示しているものです。

 これらの値の根拠となるのは,(独)森林総合研究所や林産試験場を含む全国の木材関係試験研究機関で行った強度試験のデータです。木材は自然素材であるため,強度性能にばらつきがあります。多数の実験データに基づき,統計処理によって,適正と考えられる数値が強度性能値として与えられています。

 表の基準材料強度と曲げヤング係数E0.05は,100個のデータがある場合,下から5番目の値に相当する数値です。曲げヤング係数E0とせん断弾性係数G0は平均値に相当するものです。E0は一般的な用途のたわみ計算に,E0.05はたわみ変形が少ないことが重要視されるような部材の計算に用いられます。G0については,曲げヤング係数との相関があることから,E0の1/15の値を用いることになっています。

 なお,実際に使おうとする製材を試験してみたところ,その結果が基準強度や基準弾性係数よりも著しく低いということが分かった場合には,試験結果をもとに別途基準強度等を計算して,その値を使って設計することが望ましいといえます。

 今後は,強度の保証された建築材料の供給を求められることが多くなっていくことが考えられますが,基準弾性係数を保証するためには,全数についてヤング係数を測定したうえで流通させる仕組みを作ることなどが必要になってくると思います。

 詳細については,「木質構造設計規準・同解説-許容応力度・許容耐力設計法-」や「建築基準法令集」を参照してください。

(性能部 構造性能科 藤原 拓哉)

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