職場紹介
機械科では,企業のニーズに応えるため,またシーズを開拓するために,木材産業全般に関する機械・装置開発の研究に取り組んでいます。そのための金属加工設備もあり,専門技術を持った職員が配置されていますので,機械の試作も可能です。
木球や引き出しの取っ手のような小型の木製品は様々なクラフトや家具などに使われていますが,このような製品の開発・加工に特化したNC加工機(専用コンピュータにより制御された加工機)は現在製造されていません。機械科では汎用のコンピュータで制御され,小型の木製品を連続的に製造する装置(NC木工旋盤(ろくろ))を開発しました(写真1)。構造を工夫して木材にかかる負荷を抑えたため,通常のならい旋盤などでは不可能な形状の加工もできます(写真2)。
写真1 NC木工旋盤 写真2 NC木工旋盤による加工品例
写真3 自動桟積装置
広葉樹集成材に使われる原板は長さが不ぞろいなため,乾燥時の桟(さん)積みは人手により行っていますが,熟練が必要で,時間もかかります。そこで,長さが不ぞろいの板材を効率よく桟積みする装置を考案し,縮小サイズで試作しました(写真3)。本装置の特徴は,a)工場で生産された原板の長さごとの数量分布から無駄の少ない配置を計算するプログラムと,b)桟木を自動的に整列させて挿入する機構の二つです。
写真4 木製シャッター
木製エクステリアの一つとして木製のガレージシャッターがあります。従来の跳ね上げ式やオーバースライド式のシャッターは収納時に天井のスペースを占有してしまうため,折り畳み機構を検討して,これまでにない省スペース型木製シャッターを試作しました(写真4)。
このほかにも,釘付き廃木材用丸鋸の開発,釘抜き装置の開発,おが粉乾燥機の開発,ゴムチップパネル用フォーミング装置の開発など,木製品の製造・利用に関する広い分野の製品開発,機械開発を行っています。
金属加工用旋盤,立フライス盤,各種溶接機など,機械製作に必要な設備があります。
機械科では共同研究を主体とした実用的な研究を通じて,企業への技術支援や試作装置の開発に取り組んでいます。また技術相談にも随時対応しておりますのでご利用ください。