本文へ移動
林産試だより2006年5月号 特集「平成17年度 研究成果発表会」 3層・4層集成柱材の普及拡大に向けて

 ●特集『平成17年度 研究成果発表会』

3層・4層集成柱材の普及拡大に向けて

企画指導部経営科 高山 光子

 研究の背景・目的

図 5,4,3層集成柱材

 現在,一般に流通している集成柱材は5層構成が主流であり,特に3層構成については過去の輸入品の一部に反りや曲がりが発生した影響などで敬遠されてきた経緯があります。しかし,当場では,3層・4層集成柱材でも適正に製造すれば問題は発生せず,また十分な強度性能を示すことを過去に明らかにしています。そして何より,5層から3層や4層に積層数を減らすことにより,工数や接着層の減少等による製造コストの低減が期待できます。
 そこで,3層・4層集成柱材の普及拡大に向けて,使用者側となる工務店に対する意向調査を行うとともに,改めて製造試験と寸法・形状変化の測定試験を行いました。


 研究の内容・成果

【 工務店に対する意向調査 】(発送数169,回答率44%)

図 工務店に対する意向調査結果

 3層・4層集成柱材を「使用してみたい」または「条件によっては使用する」と回答した企業が8割以上にのぼり,「使用したくない」はわずか2%でした。使用する条件としては,「価格」,「JAS規格品」,「曲がりや反りの試験データ」などがあげられており,普及に向けてはこれらへの対応が必要といえます。

【 3層・4層構成集成柱材の製造試験 】

 原板(トドマツ,カラマツ)の乾燥時間は,目標含水率12%の場合,5層用に比べて4層用では約1日,3層用では約2日(トドマツ)から3日程度(カラマツ)長くなりました。その反面,集成材の製造時間に大きく影響を及ぼす縦継ぎ回数は,5層の場合と比べて3層では約半分,4層でも8割程度に減少し,積層数の減少が製造コストの低減に寄与することが確認されました。

【 乾湿繰り返しによる寸法・形状の測定試験 】

 集成材を20℃・90%RHと20℃・40%RHの条件に8週間ごとに入れ替え,寸法・形状変化を測定した結果,3層,4層および5層の寸法安定性に違いは認められませんでした。

 以上の成果を取りまとめて,集成材工場向けの製造技術資料『3層・4層構成集成柱材のすすめ』を作成しました。入手をご希望の方は経営科(内線395)までご連絡ください。


 今後の展開

 作成した製造技術資料を活用して,集成材工場に成果の普及を図るとともに,製造する意向のある工場に対しては技術指導などを通して支援していきます。詳しくは経営科(内線395)までお問い合わせください。

前のページへ|次のページへ